マツコがきっかけ!? ついにブーム到来「高級ボールペン」の世界

マツコがきっかけ!? ついにブーム到来「高級ボールペン」の世界

普通、何らかの道具で「高級○○」というと、価格が高いのは当然、機能や使い勝手も良いのが当たり前だ。もちろん、高級腕時計や高級万年筆のように、機能や使い勝手は、数十万円くらいで頭打ちになって、それ以上は装飾や素材、精緻な手作業といった部分で「高級」になるものはある。

鞄や財布なども、高い方が機能的に優れているとは限らなかったりする。それはそれで、意味がある「高級」で、その意味をユーザーが納得しているのだから、それはそれで問題はない。

高級ボールペンが「軽く扱われてきた」理由

高級ボールペンが「軽く扱われてきた」理由

ところが、最近ブームだという「高級ボールペン」はちょっと事情が違う。そもそも、高級ボールペンは、随分長い間、文房具としてはメディアはもちろん、小売店にも軽く扱われていた。ギフト用途以外には、ほぼ省みられない製品だった。その理由は簡単。150円くらいで買える国産のボールペンに比べて、書き味がとても悪かったからだ。そして、ボールペンは長い間、文房具というより事務用品で、「どのメーカーの何を使う」なんてことに意識的だった人は、一部のマニアに限られていた。人前でちゃんとした筆記具を、という人は万年筆を使っていたわけだし。

もちろん、NASAの宇宙飛行士も使っている宇宙で使えるフィッシャーの「スペースペン」や、インクやペン先を選べるクロスのボールペン、舞踏会で上流階級のご婦人方が愛用したというブレスレット型のペンなど、高級である意味がある製品もあった。

三菱鉛筆「ジェットストリーム」の誕生

また、ボールペン自体の品質が悪かった1980年くらいまでは、高級ボールペンの方が明らかに書きやすかったし、安定してインクも出ていて、信頼性も高かった。ただ、その頃はまだ、高級筆記具といえば万年筆のことだったのだ。だから、多くは万年筆の廉価版としての「高級ボールペン」で、高級であるために、金属製のリフィル(替え芯)を使っていたことで、三菱鉛筆の「ジェットストリーム」やパイロットの「アクロインキ」などの、油性ながら滑らかに書ける新しいインクやボールペンが登場した時に、すぐにそれらの滑らかなインクに切り替えることが出来なかった。

一度、ジェットストリームなどの、「低粘度油性インク」で書いてしまうと、高級ボールペンの、昔ながらの重い書き味は、とても書きにくく感じる。10倍以上の価格差があるのに、書き味は悪いのであれば、メディアも製品としては勧めにくい。実際、文房具などを扱う雑誌で、1本5000円以上のボールペンが扱われる機会はとても少なかった。取り上げても、ラミーの「ラミー2000」の4色ボールタイプとか、デザインに注力したトンボ鉛筆の「Zoom」シリーズあたり。前に私が『マツコの知らない世界』(TBSテレビ)で高級ボールペンを取り上げた時点でも、それはかなりマイナーなネタだったのだ。

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