ビューティー&ヘルス 手指用消毒スプレーに入っている成分、ホントの有効性は?

ドラッグストアやスーパーには、だいぶ消毒スプレーや液体ソープが戻ってきている感がします。一方で、第2波とおぼしき感染拡大が見られる今日のこの頃。気になる手洗い、手指消毒について臨床検査技師の笛吹和代さんに有効な消毒について聞いてみました。前回、石けんについてはこちら

笛吹和代さんは臨床検査技師、認定不妊カウンセラー。Suits woman「妊活診断」でも活躍中。

手指消毒スプレーの新型コロナウイルスに対する効果は?

——手指消毒用液、手指消毒スプレーが売り場に戻ってきました。新型コロナウイルス流行以前も、冬場のインフルエンザシーズンになると「手ピカジェル」や「クレベリンハンドスプレー」などが売れていたようです。

有効成分は「塩化ベンザルコニウム(0.05%)」というもの。新型コロナウイルスが流行してからはビルの入り口やエレベータの前に設置された消毒スプレーの多くが、塩化ベンザルコニウム入りです。これは「石けん」で洗うより消毒効果が高いのでしょうか?

「手指消毒用と表記されているものは、消毒成分が配合されている製品です。市販品で配合されている有効成分の多くは、塩化ベンザルコニウムという消毒剤です。それ以外には76.9~81.4vol%のエタノールが配合された消毒剤があります。 

塩化ベンザルコニウムの新型コロナウイルスに対する能力は、手指消毒に関してはまだ不明です。物品の消毒に関してはnite(ナイト:独立行政法人 製品評価技術基盤機構)によって、5月22日付の発表で有効性が確認されています。テーブルや床など物品に関しては、有効な成分が発表されています。

新型コロナウイルスはエンベロープタイプです。エンベロープのウイルスの消毒に有効性が確認されているものは、一般の人が入手可能なものでは次亜塩素酸ナトリウムやアルコールです。

しかし、次亜塩素酸ナトリウムは人体には直接使えませんし、アルコールは今も非常に品薄ですね。そこで、次の策として市場に多く出回ったのが「塩化ベンザルコニウム」なのです。

——どんな特徴がありますか?

「メーカーサイドからすると使い勝手のいい成分です。そしてとても安価。500〜600ml容器で、たしか定価800円ぐらいです。さらにこれを希釈して使います。手指消毒用として製品化されているものは0.05%ですから、1本でものすごい量になりますね。」

—–でも、新型コロナウイルスに対する効果は不明なんですね。

「塩化ベンザルコニウムは、物品の消毒には使っていいという通達を経済産業省が出しています。でも、手指に使っていいとは出していません。もともと塩化ベンザルコニウムはウイルスやカビ、一部の細菌に対する効果は弱く、本来、一般細菌の消毒に用いられてきたものでした。今回のniteで実施された試験でも、あくまでも物品に限られています」

——ふつうの石けんや、薬用石けんより強力ですか?

「消毒剤なので、薬用石けんに入っているイソプロピルメチルフェノールより効果はあります。細かいことですが、整理すると薬用石けんに入っているイソプロピルメチルフェノールは殺菌剤。手指消毒スプレーに入っている塩化ベンザルコニウムは消毒剤。そして効果は消毒剤のほうが高いということです」

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