今年は、なんだかイライラすることが増えたと感じていませんか?
セイコーホールディングスが2020年4月、全国の10代~60代の男女1,200人を対象に実施したアンケート調査「セイコー時間白書2020」によると、新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛生活とアフターコロナの生活について、それぞれ、心情を表す“擬音(態)語”で表現してもらったところ、自粛真っ只中の生活を現す語は、「イライラ」(18.5%)が1位、続いて「ヒヤヒヤ」(17.9%)、「ハラハラ」(13.9%)がトップ3だったそう。コロナ禍により、ままならない日常へのイラ立ちを感じている人が多くいることがわかります。
イライラする状況への対処策はいろいろありますが、「漢方薬」を取り入れることでもイライラを改善できるとか。漢方薬に詳しい医師、のぞみ女性クリニック 院長の内山心美先生に伺いました。
主なイライラの要因と解決策
教えてくれた人

昭和大学医学部卒業後、勤務医を経てのぞみ女性クリニックを開院。日本産科婦人科学会 専門医・日本産科婦人科学会 指導医・日本東洋医学会 漢方専門医・日本女性医学学会 女性ヘルスケア専門医・医学博士・女性ヘルスケアアドバイザー。
なぜイライラしてしまうのでしょうか? その要因は、人それぞれ、その時々によっても異なると内山先生は話します。
1.不安からくるもの
「自分の不調の原因がわからないから不安、と悩む人もいます。その不安がイライラにつながることも。その場合、医療機関で客観的に検査をして原因がわかればよいですし、異常がなかったとしてもおおごとではないことがわかり安心につながると思います」
2.性格的要因(心理的要因)
「複数の人に同じストレスがかかったとして、症状が強く出る場合と、軽く出るだけで問題にならない場合とがあります。これは、本来の性格的な問題が関係しているケースもあるから。
今後どうなってしまうのだろうと重く現状を受け止める人もいれば、受け流せる人もいます。その違いは、幼少期から培われた性質にもよります。性格的、心理的要因へのアプローチとして、カウンセリングや心理療法が有効な場合もあります」
3.環境因子
「環境因子によるものも大きなウェイトを占めていると感じます。例えば過労、対人関係、家族内トラブル、コロナによる先の見えない不安など。お薬での対処も大切ですが、前提としてストレスとなっている環境因子が取り除かれなければ、イライラは改善できないことは言うまでもありません。
また、人は誰かと関わることで精神的なバランスをとる側面も大きいので、他者との接触が減ってしまう環境が潜在的にストレスにつながっている人も多いかもしれません。他者との接触が一切絶たれてしまうと体調にも支障をきたす可能性があります。
人との関わりがシャットアウトされると、うつ傾向になる場合も。井戸端会議なども、実は心身の健康を保つために重要なのです」
次のページでは漢方や日常生活でのイライラ解消法についてご紹介していきます!