ビューティー&ヘルス 安い・早い・正確な「スマート脳ドック」って何?若い人こそ受けるべき理由があった~その1~

「脳ドック」ときくと、20代や30代、40代くらいまでの方は「興味はあるけど、まだいいかな」と思う方も多いのではないでしょうか。

手頃な価格で受付から30分で完了する「スマート脳ドック」を実施しているメディカルチェックスタジオ 東京銀座クリニック院長・医学博士の知久正明先生は「若い人にこそ、今のうちに一度、脳ドックをうけてほしい」と言います。その理由を詳しく伺ってみましょう。

脳ドックを受けることで「病気になる前」に予防する

メディカルチェックスタジオ 東京銀座クリニック院長・医学博士の知久正明先生

知久先生が脳ドックをすすめるベースにあるのは「未病」という考え方。「未病」とは中国発祥の漢方医療、中医学で使われている言葉です。

通常は病気が発症したら病院へ行きますが、その前の段階。健康と病気の間の状態を「未病」というのだそう。西洋医学では早期発見とさかんに言われますが、未病はさらにその前のことををいいます。

日本人の2019年の死亡原因をみると、1位は「悪性新生物」、すなわち「がん」。2位は心血管疾患と老衰、3位に脳血管疾患というのがランクインしています。

1位が「がん」なら「がん」の予防をすればいいじゃないか、と思われる方も多いと思います。しかし1位の「がん」というのは、すべての臓器の「がん」を統合しています。つまり、胃がん、肺がん、女性だったら乳がんなどもすべて合わせた数字なのです。

通常の人間ドックや健康診断では脳を見る機会はなかなかないが、臓器別では死亡原因の2位に。
※メディカルチェックスタジオ 東京銀座クリニック 提供

では、先ほどの死亡原因を臓器別にみると、1位は心臓になります。2位は脳の疾患。これらの疾病は、健康診断ではなかなか見つかりにくいものばかりで、とりわけ「頭の中」はどうなっているのかわからないもの。

そして若い患者さんからは、「脳ドックを受けてみたい」「価格が高い」という声が多かったのをうけて、「スマート脳ドック」をスタートしたそうです。

知っているようでうろ覚え……。脳の病気ってどんな種類がある?

脳梗塞、クモ膜下出血……。脳の病気にはどんなものがあるか、聞いたことはあっても、その違いは意外と知っているようで知らないものです。その種類や、予防法についても知久先生のお話を伺っていきましょう。

まず、一般的な脳血管疾患は大きく分けて4種類あります。

1.脳白質病変
2.脳梗塞
3.脳血管疾患
4.脳動脈瘤

1.脳白質病変

進めば進むほど、対策のしようがなくなる  ※メディカルチェックスタジオ 東京銀座クリニック 提供

頭に行く血流が少なくなって起きる疾患で、何も起きていない0から4までグレード分けされます。

気にしたいポイントは、けっこうひどい「グレード3」の状態でも、自覚症状が何もないことです。そのまま悪化していくと、血流が悪くなることで起きる血管性の認知症や脳梗塞を発症します。

この前の無症状の段階でわかっていれば、将来の認知症に対して対策を取ることできます。

「脳白質病変」は何歳くらいからなるかというと、以前は50歳くらいで脳ドックを受けましょうと言われていたのですが、実は「グレード1」は、20代では10%ほど、30代にいたっては30%ほどいるんだとか。

「年をとってから“脳白質病変”が発見されても、時間的に進行に限界があるので別に検査しなくてもいいんです」と知久先生は続けます。

むしろ、若いときに「脳白質病変」が出てしまっている人は、どんどん進行して、将来、認知症や脳梗塞になるリスクが高まります。でも60歳くらいで「グレード2、3」の状態になってから初めて発見されても、そこから予防するのは難しいもの。だから、若いうちに発見して、少しでも進行しないように食い止めることに意味があるんだとか。

脳ドックを受けてみたら、すでに脳梗塞の予兆がハッキリ出ていた20代の女性の患者さんに話を聞くと、お酒をよく飲み、深夜まで起きていて、睡眠時間は4、5時間。そして次の日は朝から会社にいって、ストレスがあるという生活をしていました。でも健康診断では、血圧やコレステロールなどすべての数値において異常なしという結果だったのです。たまたま脳ドックを受けたことで、脳梗塞の予兆が出ていることが判明し、そのリスクが起きやすい生活習慣を改めるきっかけをつくることができました。

2.脳梗塞

血管にコレステロールがたまっているとなりやすい「脳梗塞」ですが、若い人はストレスによる動脈硬化から発症することも。

とある50歳の男性は、血管にべったりコレステロールがたまり、血栓が脳に飛んで、脳梗塞をひきおこしかけていました。でも脳ドックにより間一髪の段階で気づけたので、血液をさらさらになる薬を飲むことで、カテーテルを入れるような手術をすることなく、抑えることができました。

まったく無症状にもかかわらず、脳ドックで脳梗塞を起きかけていることがわかった40代の女性。お話を聞くと、低用量のピルを飲まれていました。一般的に、ピルを飲むときはだいたい病院で血小板の数字などを見ながら、血液が固まらないように処方するのですが、この方の場合は血栓で脳梗塞を発症してしまっていたので、ピルを飲むのを辞めてもらうことで、対策をとりました。

3.脳血管疾患

これは高齢者で多いのですが、若い人でも脳の血管にコレステロールがたまって目詰まりしているケースもしばし見られます。有名なのが、血管がつまる「もやもや病」。これは画像に血管がもやもやしたように映っていることから呼ばれています。30代で発症していた女性は、発見してすぐ手術をしましたが、やはり無症状。たまたま受けた脳ドックで、大ごとになる前に対処ができたケースです。

4.脳動脈瘤

破裂すると、クモ膜下出血をひきおこす脳動脈瘤。未破裂の状態で発見するのが脳ドックの大事な役割のひとつです。

実際にクモ膜下出血にまでなる人は多くないのですが、予備軍は若い人も含めて意外と多い病気です。怖いのは、タクシーの運転手やバスの運転手さんが、クモ膜下出血で突然意識を失うケースです。

そんな事故も起きたことから、今はバスの運転手は3年に1度は脳ドックをとることが国の条例で義務づけられています。

脳動脈瘤は5mm以上のサイズになると破裂するリスクが上がるといわれていますが、とある40代の女性の場合は10mmにもなっていました。その状態で破裂前に発見できたのは、本当にラッキーなのだそう。

昨年からのコロナ禍で、病院に行くのを控える傾向があるため、脳卒中学会が調べたところ、2020年以降はそれ以前よりも、患者さんが症状が出てから初めて病院に来るケースがが増えたといわれています。つまり、大事になる前に気づけるチャンスが減っているということです。そのことに、知久先生は警鐘を鳴らします。

コロナ禍で頭痛を訴える人も増えているのですが、脳ドックを行うことで、怖い(病気からの)頭痛なのか、怖くない頭痛なのかを確認することができます。

1 2