ビューティー&ヘルス 6.5時間~8時間未満が最適! 自律神経を整えるための上手な眠り方

忙しさやストレスなどで交感神経が常に刺激され続けて、自律神経が特に乱れがちな30代。良質な眠りに導く入浴法やケアのほかに、「睡眠の量」を増やしつつ、「質」も高めることが自律神経を整えるためには重要です。

「自律神経ケア」第4回目の今回は、良質な睡眠のとり方について、眠りとお風呂の専門家 小林麻利子さんに教えていただきます。
※第1回~第3回はこちらから

自律神経を整えるには、6.5時間〜8時間未満の睡眠が理想!

[一晩における睡眠経過図]

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きちんと睡眠をとっていないと、イライラして攻撃的になりがちですよね。実際、イライラしているときは交感神経系が刺激されているということがわかっています。鶏が先か卵が先かみたいな話ですが、自律神経が整うことによって良質な眠りが得られ、良質な眠りが得られることによって自律神経が整って、イライラや体のプチ不調が改善されていくという関係があります。

ご自身で自律神経が乱れているなと思う方に、まず見直していただきたいのが睡眠の「質」と「量」。一般的に睡眠不足というと、質ではなく量のことを指すことからもわかるように、睡眠は質だけではなく量も大事です。

上のグラフは人間の一晩の睡眠段階サイクルを示すものですが、6時間睡眠と7.5時間睡眠とで比較してみると、深いノンレム睡眠の量は同じだけれど、浅いノンレム睡眠の量は6時間睡眠の方が少なくなっていることがわかります。自律神経を整えるには深い眠りが必要ではありますが、あまり重要視されていない朝方の浅い眠り自体も、メンタル面に大きく影響することがわかっています。

「睡眠は1.5時間刻みで考えればよくて、6時間も眠れば充分」と言う話を聞いたことがあるかもしれませんが、それは厳密には正しくありません。睡眠は確かに約1.5時間ごとに段階が移行しますが、そこまで規則的ではないこともわかっていて、6時間で充分とは言えません。

もし6時間以上寝ると体が怠くなるという場合は、量というよりも「起き方」に問題がある場合もあります。例えば目覚まし時計やスマホのアラームのスヌーズ機能を設定しているからと、何度も起きたり寝たりを繰り返したり、起床時間がコロコロと変わるような体内時計のリズムの乱れがあれば、寝起きが悪くなってしまいます。

睡眠については世界各国で研究がなされていて、適切な睡眠時間は季節にもよりますが、大体6.5時間〜8時間未満が適切だと言われています。ダイエットや美容、生活習慣病のリスク、自殺率や死亡率、メンタル面などすべてにおいて、一貫して6.5時間〜8時間未満の睡眠がベストであり、短すぎても長すぎてもリスクが高まることがわかっています。

イギリスのマンチェスター大学の研究では、6時間睡眠を約5日間続けた場合、徹夜した人の脳の反応速度と同じだったという研究報告もあるぐらいです。東北大学の研究では、睡眠時間が6時間以下の人は、7時間以上睡眠をとっている人の約1.67倍、乳がんのリスクが高くなることもわかっています。あとはワクチン。カリフォルニア大学の研究では、睡眠時間が6時間未満のグループは、7時間以上のグループよりもB型肝炎ワクチンの有効性が約11.5倍も低かったという結果も得られています。

皆さん仕事を行う際はきちんとスケジュールを組むと思いますが、ぜひ睡眠もスケジュールを組んでからとるようにしてみてください。翌朝の起床時間から逆算して、何時間寝られるかをあらかじめ考える方が賢明です。

ちなみに、「人は起きている時間はみんな一緒」と聞いたことはありませんか? つまり一生涯で、睡眠時間が短い人は起きている時間が長いから短命である。しっかり寝ている人は起きている時間が短くなるから長生きをするということ。これは科学的ではないかもしれませんが、個人的には一理あるかなと思っています。

寝る前15分の入浴が睡眠の「質」を高めるカギ!

次は、睡眠の「質」。質を高めるためには、前回からご説明しているとおり、寝る前15分間の入浴とその後のケアで体の深部体温を下げて、交感神経を抑制&副交感神経を優位にしてあげることが重要です。

忙しい時期は、寝る間際まで「明日はあれをやってこれをやって…」ということを考えてしまいがち。そんな状態でいざ寝ようと思ってもなかなか寝つけないし、翌朝、起きたときにも同じことを考えてしまっていることがありませんか? 

それは脳活動量が高くなっていて、体が全然休まっていない証拠。本当は寝る前にぬるめの湯船に15分間つかるのが理想ですが、どうしてもシャワーしかできないという日は、まだ体が温かい状態で素早くベッドに入ってください。

シャワーすら難しい場合は、洗面所で手をお湯で温めてから寝るのがおすすめです。それでも頭の中でいろいろと考えてしまう場合は、頭皮マッサージをしてからお休みしましょう。頭皮の血流が良くなれば、脳の深部体温の低下を促し、寝つきを良くしてくれます。

入眠姿勢は好きな方向でOK!

さらに、日本の寝具メーカー「ロフテー」の調査では、入眠姿勢はあお向け寝の人が4割、横向き寝の人が4割ぐらいという結果が出ていました。女性は顔にシワがつかないようにするために、あお向けで寝た方が美容にいいと言う方もいますが、あお向け寝だと舌の付け根が喉に落ち込み、気動を塞ぐことでいびきをかきやすくなる場合もあるので、無理にあお向けで寝る必要はありません。人間は一晩でおよそ20回ほど寝返りをうち、さまざまな体勢になるので、最初の入眠姿勢は皆さんの好みの姿勢でOKです。

アメリカのニューヨーク州立大学ストニーブルック校の調査によると、アルツハイマーの原因物質は横向きで寝たときに排出されやすいことがわかっています。また、哺乳類動物の寝姿勢はみんな横向き。おなかを見せて眠るあお向け寝は、動物にとっては危険だからです。人間も、そもそもは横向き寝をしていたと考えられており、進化の過程で住居を作って安全を確保することができたので、あお向けで寝る人が現れたのではないかと言われています。

横向きで寝始める方にぜひご用意いただきたいのが抱き枕。立命館大学の研究で、寝つく際の体動が少なければ、深い眠りに到達するまでの時間が短いという報告があります。横向き寝はマットレスと体との接地面積が小さく、寝姿勢が安定しにくいため、抱き枕を足の間に挟んで、姿勢を安定させてあげましょう。

入眠姿勢を突然変えてしまうと寝つきが悪くなる可能性があるので慣れた姿勢でOKですが、うつ伏せ寝だけは避けた方が無難。なぜなら、前歯の虫歯リスクや肌への摩擦、顔の歪みにもつながる可能性があるからです。

睡眠の「質」を高める工夫もぜひ行って!

睡眠時に枕元に置くといいものは、ヒバやシダーウッドなどセドロール系の精油。ウッディ系の香りに包まれていると、寝つきが良くなるだけでなく、眠りの質を安定化してくれることがわかっています。

リラックスする香りで有名なラベンダーは、さまざまな臓器の交感神経を低下させてくれるため、悩みや仕事のことで頭がいっぱいになっているときにぜひ活用してみてください。また、オレンジの精油を一晩中漂わせておくとストレス度が減ったという研究結果もあります。

自律神経を整えるには「呼吸」が大切であると以前お話ししましたが、香りを嗅ぐためには、まず息を吐く必要がありますよね? つまり、寝る前に香りを嗅ぐ習慣をもつことは、自然にゆったりとした呼吸を繰り返すことにつながるのです。深呼吸が良いと聞いてもなかなかできないことも多いと思うので、とっておきの香りを寝る前に嗅ぐ習慣をぜひ取り入れてみてください。

それから室内の二酸化炭素量を減らすことで良質な眠りを得られることもわかっているため、寝室の換気も大切。空気清浄機を使ったり、サーキュレーターを扉に向かって置き、空気循環を良くしておくというのもおすすめです。

睡眠の質を高めるおすすめアイテム&グッズはこちら!

①心和らぐ香りを枕元に置いて、ぐっすり熟睡!

ヒノキチオールやβ-ドラブリンを含んだ天然青森ヒバの赤みだけで作られたチップ。ヒノキにも似たウッディで爽やかな香りはリラックス効果◎。睡眠時に器に入れたチップを枕元に置くだけでなく、入浴時にチップをネットに入れて湯船に沈めるのもおすすめ。ideot 青森ヒバ Cul de Sac-JAPON カルデサックのヒバチップ 200g ¥4,180

②クリーンな空気でエッセンシャルオイルのアロマを楽しめる

アロマディフューザー機能付きのオゾン除菌消臭器。「アロマディフューザーモード」は対応エッセンシャルオイル(別売り)をはめ込むだけと、セットアップも簡単。水や熱を使わないから、そのままのアロマを楽しめる。マクセル オゾネオアロマ オープン価格

③通気性の良いパジャマを着れば、快眠度もアップ!

驚くほどの軽さと柔らかさを実現した特許取得素材「マシュマロガーゼ®」を使用。肌触り&着心地抜群で、着ているだけでリラックス。吸水性、通気性、保温性を追求し、質の高い眠りをサポートしてくれる。UCHINO マシュマロガーゼレディスパジャマ ピンク 全6サイズ ¥16,500

④枕専門店の抱き枕でぐっすり快眠!

体にフィットする絶妙な流線型の形とつるつるの極上な肌触りの抱き枕。体をすっぽり預けられるから、朝までしっかりと安眠できる。ピンクとイエローの2色展開。ロフテー ボディピロー(抱き枕) わがまま 全2色 ¥13,200

●賢者紹介
眠りとお風呂の専門家 小林麻利子さん

こばやし まりこ/SleepLIVE株式会社代表取締役。「美は自律神経を整えることから」をモットーに、生活習慣改善サロン『Flura』を開業。最新のデータや研究をもとに、睡眠や入浴、運動など日々のルーティンを見直すことでキレイをかなえる「うっとり美容」を指導。これまでに約2,000人以上の女性のさまざまな悩みを解決してきただけでなく、自らも8kgの減量に成功。アロマテラピーインストラクターやヨガインストラクター、温泉入浴指導員、公認心理師など、さまざまな資格も有する。

取材・文/内田淳子

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