ビューティー&ヘルス 「誰」よりダメなのか?あなたを縛っているものはプライド?それとも自尊心?

こんにちは、公認心理師、精神保健福祉士の水口明子です。初回となる前回は、メンタルの強さ、弱さというものは思い込みで、正しくは『固い、柔らかい』とここでは表現させていただきました。2回目となる今回は、価値観について説明していきたいと思います。

何か出来事が起こった時に感情の基となる「自動思考」

前回、メンタルとは「出来事(物事)に対する受け取り方(または捉え方)」のことだと言いましたが、過去に「メンタルの強さ弱さ(本稿では固さ柔らかさ)はどこからきているものなのですか?」という質問をクライエント(依頼者のこと。医師ではないので患者とは言いません)からいただいた時がありました。まずは出来事が起こると、人はどのような反応を起こすのかを説明していきます。

何か出来事が起こると、人はそれぞれの自動思考から感情を抱き、その感情に基づいて行動を起こします。

聞きなれない「自動思考」という言葉が出てきましたがこれは、自動的に根拠なく思い浮かぶ考えのこと。自分自身の中にある価値観と言い換えれば伝わりやすいでしょうか。

例えば、仕事一筋にがんばっている人が仕事で失敗してしまった時、「仕事がなくなってしまったら自分には価値がない」と思ってしまったり、結婚していない人であれば、周りが次々に結婚していくにつれて「パートナーができなかった自分はダメ」だと何の根拠もないのに思ってしまっていることを指します。何かを始める前に「どうせダメ」、直接何かを言われたのではないのに「どうせあの人は私のことが嫌い」などの考えも、根拠のない自動思考なのです。

仕事で例えると、「仕事を止めらない」「この職場から逃げられない」と思い込んでしまっているから、心の逃げ場がなくなってしまう。そして逃げる選択をしたとしても、「社会的な地位がなくなる」「次の転職ができない」と思ってしまう。これも自動思考にあたります。

この何の根拠もない自動思考から、悲しさ、憂うつ感、絶望感という感情を抱き、家に引きこもってしまったり、他人と距離を取ったりなどの行動を起こしてしまうのです。メンタルが柔らかい人ほど、否定的な自動思考ではなく、さまざまな考え方から合理的な自動思考を無意識のうちに選び、正しい行動を起こすことができます。

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