ビューティー&ヘルス 「今は耐える、がんばるとき」その考えがコロナうつを加速させる

こんにちは、公認心理師、精神保健福祉士の水口明子です。新型コロナウイルスの感染が拡大傾向にあり、いつ自分がうつってしまうんじゃないかという恐怖、外出自粛で日常の生活リズムが乱れるというストレスに苛まれている人も多いでしょう。第5回の連載にて、「コロナ感染が不安で眠れない……。今すぐできるメンタルケア方法」をご紹介させていただきましたが、今回は、生活リズムの乱れからくるストレスを解放させる方法をご紹介させていただきます。

今はコロナへの抵抗期

感染拡大が止まらず終わりの見えない自粛ムードに、最近は『コロナ疲れ』というワードもよく見かけるようになってきました。

人は、自分の活動が遮られているという閉塞感から、イライラ、もやもやなどといった感情を覚えます。その生理現象のことを「汎適応症候群(はんてきおうしょうこうぐん)」と言います。これは、セリエというカナダの生理学者によって定義されたもので、ストレスに晒され続けると起こる体の反応を指します。汎適応症候群の進行は三相期に分けられています。まずはその三相期をご紹介します。

◆汎適応症候群の三相期

1.警告(ショック)期
何かショックなこと(今回でいうとコロナ感染者の拡大など)が起こり、恐怖などの危険信号が体に反応として表れる時期。

2.抵抗期
ストレスの元に対して、乗り切ろうと頑張ってしまう時期。体は頑張っているので、心は穏やかな状態に一旦は戻ります。しかし、体が必要以上にエネルギーを消費しており、ただ踏ん張っているという状態になっています。

3.疲弊期
ストレスに晒されて頑張っている抵抗期が長く続くことで、体が疲れ切り、それによって心が抵抗できずにうつなどを患ってしまう時期。

この三相期は、1~3の順番でやってきて、人によって抵抗期の期間はバラバラです。しかし、2の抵抗期の期間が長ければ長いほど、3の疲弊期の症状が強く出る人が多いとされています。

コロナ騒動でいうと、強い不安から必要以上に家に籠ってしまった人、買い占めに走ってしまった人などが表れたのもこのうちの警告期が該当します。

そして、今はまさに抵抗期から次の段階(疲弊期)に入るギリギリのところだと思います。がんばって、耐えている中で、イライラやもやもやを隠し切れなくなっている方が出てきて、体の不調(よく眠れない、体が重い、体重の増減)が現れはじめている方もいるでしょう。

そしてそこに、耐えているのはみんなだからと、誰にも言えないというストレスも加わります。特に日本人は共通の恐怖に襲われている状況で他人に弱音を吐くことは、自分本位な人だという考えを持ってしまう人が多い人種。多勢が正しいという集団心理を持つが故に、集団から外れると孤独や不安を感じてしまうのです。知らずに自分自身を偽るような言葉を使ってしまい、心の疲弊には気づかないのです。

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