ビューティー&ヘルス 「ソーシャル・ディスタンス」が奪う”幸せホルモン”、スキンシップ以外で心を保つ方法とは?

こんにちは、公認心理師、精神保健福祉士の水口明子です。新型コロナウイルスの感染防止のために「ソーシャル・ディスタンス」という言葉が多く聞かれるようになりました。これは「社会的距離の確保」という意味で、日本では人との距離を2メートル取ろうという感染予防対策です。しかし、神経質になりすぎているばかりに、他人との距離だけでなく、親しい人とも距離を取ってしまう方々がいます。徹底した予防対策は決して悪いことではないものの、触れ合わないことで起こる、メンタル不調もあるのです。

今回は、「ソーシャル・ディスタンス」からくるメンタル不調、その転換方法についてお話します。

触れ合うことでもたらされる幸福感

まず初めに、触れ合うことで得られる効果からお伝えします。

人を含めた動物全般は、触れることによって「オキシトシン」という生理物質が脳内で分泌されます。このオキシトシンは俗に「幸せホルモン」と呼ばれる物質で、幸福感を得ることができるというもの。

また、この物質がお互いに出ることにより、相手と親密な人間構築につながるともいわれています。愛や恋という感情には慣れがくることもあるかもしれませんが(違う人ももちろんいます)、オキシトシンからくる幸福感は慣れることはなく、スキンシップを長時間、または継続的に行なったとしても効果があることが実証されています。

さらに、「幸せホルモン」はストレスにも強いと言われており、ストレスに打ち勝つことは免疫力を高めることにつながります。

しかし今は、その幸せホルモンが「ソーシャル・ディスタンス」によって、意図的に奪われている状況なのです。

握手でもいい。近しい人とは触れ合うこと

家庭の中には、片方が在宅ワークで、パートナーがどうしても出社しないといけない仕事に就かれている場合など、同じ環境下にいられないことで、安全策のために通常の触れ合いをしていない方も多いと聞きます。コロナの感染が拡大する中で、一人ひとりが実行できる対策を徹底されていること自体はとても素晴らしいと思います。

しかし、「幸せホルモン」が分泌されていない状態が続いてしまうと、心はずっとストレスを発散できない状態になり、攻撃的になってしまったり、食欲不振や体重の増減など体の不調にまで及ぶことがあります。さらには、うつを発症してしまう可能性もあるのです。

私自身、他人とは距離を保ちつつも、近しい関係(家族やパートナー)の人とはスキンシップを今の状況下だからこそ、より大切にしてほしいと思っています。スキンシップとは、肌と肌を触れ合わせること。つまり、握手でもいいのですから。

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