ビューティー&ヘルス 今の会社で働いていていいのかな……、そんなキャリア不安を払拭する「キャリア・アンカー」という考え方

こんにちは、公認心理師、精神保健福祉士の水口明子です。コロナ禍で生活様式が変わり、働き方の新しいスタイルなども厚生労働省のホームページなどで紹介されています。出勤からテレワークに、会議も対面からリモートになどの仕事環境の変化を経験する中で、部署縮小 による異動 、さらには休業など会社自体の環境が大きく変わった方もいるでしょう。急な仕事環境の変化に、自分はこのままこの会社にいてもいいのだろうか……というようなキャリア不安を抱える人が増えてきたように感じます。今回はそんな方に向けて、その漠然とした不安の中で、今キャリアアップするために行なうべきことをお伝えします。

漠然としたキャリア不安は目指す方向がわからないから

まず初めに、将来への漠然とした不安は誰しもが持っているものです。コロナ禍に関係なく、日本は終身雇用という考え方が改められつつある時代に差し掛かっており、多くの人が転職を経験しています。転職のきっかけは、よりいいところ、やりがいがあるところへなどの将来への展望があるから。裏を返せば、このままではいけないという不安があるからです。

そして今、コロナ禍によって大手企業でも倒産してしまうような不安定な世の中になり、今までそこまで将来への不安を感じていなかった人たちの中にも、「このままで大丈夫だろうか……」という漠然とした勤め先への不安を感じるようになってきています。

今まで自分がキャリアを積んでいた土台(会社)が不安定になっては、不安を抱えるのも仕方ないことです。

注意してもらいたいのは、キャリア不安には2つのパターンがあるということ。1つは、何かをしなくちゃいけないのにそれがわからない不安です。この不安がある人は、行動する意欲がある人なので、次項目へ進んでください。

眠れない、食べられないなど日常生活もままならないほどの不安があり、先のことは何も考えられないという方は、以前お伝えした、神経症である不安障害という病の可能性がありますので、詳しくは「心配で夜も眠れない……。日常生活に支障をきたす不安や恐怖心は「不安障害」かも?」をご覧ください。ここでは、どう行動したらわからないものの、行動する意欲がある方に向けてお伝えしていきます。

「キャリア・アンカー」で自分のキャリアを棚卸する

漠然としたキャリア不安をなくすためには、これから目指す方向、何のキャリアを積むべきかを明確にすることです。どこに向かっていいかわからないから不安なのです。

私自身も40代半ばの頃に、親の介護や自身も大病を患い、自分の今後のキャリアについて自信を失っていました。そんな時に出合ったのが、自身が築いてきたキャリアの中で譲れない軸となる価値観や考え方「キャリア・アンカー」でした。“キャリア”は仕事の経験を、“アンカー”は船のイカリ(不動点)を合わせた言葉で、組織心理学者であるエドガー・H・シャイン博士によって提唱されたキャリア理論の概念のことです。

キャリア・アンカーは失敗や成功など、さまざまな経験を経て形成されるものなので、経験の浅い新卒社員などにはうまくいかされません。職歴を積んだアラサー以上の働き世代に当てはまります。

キャリア・アンカーはキャリアを決定するにあたって、何かを犠牲にしなければならない時に、どうしても諦めたくない「能力」「動機」「価値観」3つの要素で組み合わさり、8種類のカテゴリーで形成されています。詳しくは下記のようなものです。

能力……できること(自分の強み・弱みは何か?生まれついての才能は何か?)
動機……欲求、やりたいこと(自分が本当にやりたいことは何か?自発的活動を促すものは何か?)
価値観……やるべきこと(意味を感じる活動は何か?どのような価値を大切にしているか?)

明確なものがわからない人は、カッコ内の質問の回答がそれに該当します。

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