ビューティー&ヘルス 旅行していいの?ダメなの?自粛と経済活動の二重拘束が与える心のストレス

こんにちは、公認心理師、精神保健福祉士の水口明子です。8月に入り、お盆休みを迎えますが、今年は例年通りとはいかない模様。コロナ禍で出かけることに対しての後ろめたさを感じている人も多いのではないでしょうか。その出かけるということに対して感じている不安やもやもやは、あるメッセージの影響を受けているのです。今回はその不安の正体についてお話させていただきます。

今は2つの相反するメッセージによる矛盾を抱えてしまっている状態

今年の初め頃には「夏になるとコロナは一旦落ち着く」という仮説があったものの、第2波と思われる感染拡大に皆さん不安な気持ちを抱えていることでしょう。そんな中、政府は『GoToトラベルキャンペーン』を行ない、感染に気をつけながら旅行で経済を回そうというフェーズに入っています。

しかし、その一方で自治体は外出自粛を呼び掛けている地域もあり、ある意味2つの相反するメッセージが日々ニュースで流れている状態です。

国のキャンペーンだからと旅行したいと思っていても、
「旅行をして感染リスクを増やしてしまうかもしれない」
「旅行するにしても批判されるのではないかと不安になる気持ちがある」

など素直に受け入れにくい状態。

その一方で
「今は旅行すべきではない」
「自粛するべきであって旅行をしている人を批判してしまう」

という気持ちを抱えている方もいて、どっちが正しいのかわからない故に、どこかもやもやしたような不安な気持ちになってしまっているのではないかと推測できます。

「旅行で経済を回して」、「感染リスクを抑えるために自粛して」という2つの相反するメッセージを受けて、矛盾を抱えてしまう状態を「ダブルバインド(二重拘束)」と言います。心理学で用いられる言葉で、どちらを選べばいいのかわからずメッセージを受け取った側に強いストレスを与えるというものです。

ダブルバインドの例でいうと、ビジネスの場では、上司が部下の行動を許さず自分の考えを押し付けるのにもかかわらず、何かを頼った時には「自分で考えろ」と言ってくる。家族間では、母親は早く結婚しろと言われるのに、異性を紹介すると不機嫌な態度をとるなどの行動もダブルバインドに該当します。

ダブルバインドを受け、その2つのメッセージを同時に消化することができないと、人の心は正常な判断ができなくなり、悪化すると思考停止となって身動きがとれなくなってしまいます。

どっちが正しいの?
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