ビューティー&ヘルス アルコール依存と違い、周囲も本人も気づかない。自覚なき「タバコ依存」が増加中

こんにちは、公認心理師、精神保健福祉士の水口明子です。コロナ禍により外出を控えたり、リモートワークなどによって、周囲の目を気にすることなく過ごせる時間が増えている人も多いのではないでしょうか。人の目がないことでストレスから解放された方もいますが、一方で自分の思うように過ごせる時間が増えたことで、依存が強く出てしまう人がいます。今回はアルコール依存に続いて増加傾向にある、「タバコ依存(ニコチン依存)」についてお話させていただきます。

タバコがストレス発散になっているわけではない

こちらの連載では多くの依存症についてご説明していますが、今回の「タバコ依存」はアルコールと同様の物質に対する依存症になります。

依存は3つのタイプに分かれており、分類は下記の通りです(以前取り上げたものにはリンクをつけています)。

物質に対する依存症アルコール依存タバコ依存、薬物依存など)
行為に対する依存症(買い物依存、ギャンブル依存、ネット・SNS依存、セックス依存症など)
人間関係に対する依存症(恋愛依存、親子の共依存など)

物質の依存は、対象の物質の体内濃度がある一定以下になると不快感を覚えて、繰り返してしまうという疾患です。タバコは、ニコチンを摂取することで脳内のホルモンやドーパミン(快楽に関わる脳内神経伝達物質)が放出されて、快感を与えてくれるというものです。

コロナ禍では、終わりの見えない不安から多くの人がストレスを覚えており、そのストレスという不快感をタバコで消し去ろうとしている人に「タバコ依存」の傾向が強くなっています

ストレスの解消としてタバコを選んでしまう人は、吸うことがストレスの発散のサイクルだと自分の頭にインプットされている状態なのです。しかし、実はそれは思い込みに過ぎません。実際にタバコがストレスを解消してくれることはなく、一時的にごまかしている状態なだけです。

タバコはアルコールよりも日常に溶け込むもの。本人の自覚が大切!

アルコール依存と違い、タバコ依存は本数が増えたぐらいでは「依存症」という病名がつくことはまずありません。常に吸っていないと禁断症状(ふるえる・吸えないと何もできなくなるなど)が出る重度ではない限り、日常生活を送ることができ、アルコールよりも高価なものではないのでタバコだけで借金を繰り返すなどもないでしょう。

しかし、本人がやめたいという意志がない限り根絶は難しく、自分が気づかないうちに本数が増え続けて、健康に影響を及ぼしてしまうこともあります。

吸い殻を見て、こんなに吸っていたのかと驚いたことはないですか?
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