ビューティー&ヘルス 母親だから…という言葉は捨てて!出産後の母親の10人に1人がなる「産後うつ」という病

こんにちは、公認心理師、精神保健福祉士の水口明子です。8月の日本の自殺者数は1,849人となり、前年に比べて246人と大幅に増加しています。自殺者数の中で増加しているのは、女性と若年層とのこと。8月の自殺者数の増加分246人のうち、186人(75.6%)は女性だというのです。コロナ禍によって、今までと違った日常をいきなり強いられている中、女性の自殺者が増えた要因を少し考えてみました。女性にはさまざまな状況・環境下が著しく変わる時期があり、その1つとして妊娠、出産が挙げられます。今回は重症化すると希死念慮(自殺願望)まで抱いてしまう、出産の後に起こる心の病「産後うつ」についてお話させていただきます。

出産後の母親の10%がかかる病

産後うつ」とは、出産後に日常生活に支障をきたすほどの抑うつ症状のことを指します。発症する時期は産後から6~8週の間と言われており、産後3か月までは発症する可能性があります。産後うつは出産後の母親の10人に1人がなる可能性があり、けっして稀な病ではありません。

産後うつになりやすい人は、過去にメンタルの病を患ったことがある、シングルマザーなど周りからのサポート不足がある、妊娠自体が望まないものだった、妊娠中に親しい人のことでストレス(離婚や死別、失業など)がかかった、などの原因があると考えられます。

特に出産後はこれまでの生活リズムを保つことが難しく、寝不足などのストレスも生じます。さらに出産によるホルモンバランスが乱れている状態であり、ストレスに抵抗する力も弱くなっているのです。普段なら気にかからないような些細なことでもイライラしてしまうなど、物事を否定的に見てしまうこともあります。

産後うつの症状、マタニティーブルーとの違い

産後うつは、うつ病と同じく、

・落ち込みやイライラなど気分の変動が多く、無気力、自己否定的になる
・パニック状態になることがあり、取り乱して泣いてしまう
・常に疲れが取れず、疲労感がある
・人付き合いが面倒になり、家に引きこもりがちになる
・睡眠障害(過眠、または不眠)がある
・食欲が増える。あるいは食欲がなくなる
・夫や子どもに愛情を感じられなくなる

といった症状があり、日常生活を送ることが困難になります。

産後うつは症状が重くなると、希死念慮(自殺願望)を抱いてしまいます。過去には、実際に自殺を選んでしまった妊産婦の約6割がうつ病と診断されていたという結果も出ています。

また、同じような症状としてマタニティーブルーというものがありますが、マタニティーブルーは気分の落ち込みや涙もろくなるなど軽いものが多く、日によって気分が落ち着くときもあります。しかし、産後うつは症状がずっと続く状態です。その症状が2週間以上続く場合は、産後うつの可能性が高いです。

上記の症状が2週間以上続く場合は要注意!
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