ビューティー&ヘルス 「昔は平気だった」「うちの職場では普通」はアウト!意外と無意識だから怖い、パワハラをする人の心理とは?

こんにちは、公認心理師、精神保健福祉士の水口明子です。昔も今も、子どもの頃も大人になっても「いじめ」という問題は人間社会の中において常につきまとう問題となります。職場内でのいじめ問題はパワハラ(パワー・パラスメント)にも該当します。日本ではパワハラは重大な問題として、2019年5月に改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)が成立し、大企業では今年6月から施行、続いて中小企業では2022年4月から施行されることになっています。今回は大人のいじめ問題として、パワハラを行なう側の心理について掘り下げてみたいと思います。

パワハラの種類

職場内いじめは同僚間においても起こりうることですが、職場というパワーバランスが生まれる場所ではパワハラという、地位を利用して精神的・身体的な苦痛を与える行為にもなります。

パワハラは、身体的攻撃型、精神的攻撃型、人間関係からの切り離し型、過大または過小な要求型、個の侵略型に分けることができます。各タイプの説明は下記になります。

身体的攻撃型……暴力を振るう(殴る・蹴る)行為。目の前で物にあたるなどの威嚇行為も攻撃方にあたる

精神的攻撃型……言葉の暴力。怒鳴る、侮辱するなどの行為に加え、みんなの前で同行為を行なうことで精神的苦痛を与える

人間関係からの切り離し型……仲間外れ、無視、連絡事項を共有しないなど、職場で孤立するように仕向けるような行為

過大、過小な要求型……過大は無理難題なノルマや、期日までに終わらない仕事を与えるなど、対象者の能力を超えた仕事を強要すること。過小はその反対で、仕事に関係のない作業をずっと強いる、仕事を与えないなど、能力や経験に見合わない行為を強要すること

個の侵害型……プライベートを過度に干渉する行為。交際相手の情報を聞いてくる、仕事が終わった後も個別で連絡してくるなど。異性に対してはセクハラにも該当する

今はパワハラという言葉が世の中に出回り、身体的攻撃型のパワハラは減っている印象ですが、その他の4つは大きな問題として残っています。リストラなどもこのような行為によって自主退職するように促される事例も出てきています。

怖いのが“無意識”というところ

いじめられる、パワハラを受ける側の苦痛は、日常生活を支障をきたすものにもなる場合があります。パワハラが行なわれる原因を知るためには、受ける側ではなく、パワハラを行なう側の心理を知る必要があります。

地位や人間関係の優位さを利用していじめを行なう側の心理として考えられるのが、自らの自尊心を満たしたい、という欲求です。集団の中は、自分がより優位に立っているという欲求が無意識のうちにコントロールできなくなり、その欲求を端的に満たそうと自分よりも自身が格下だと思っている相手に対して行動を起こしてしまうのです。また、格下だと思っている相手が仕事ができるタイプであれば、それは嫉妬や妬みという気持も生まれ、より相手に執着してしまいます。

無意識に自分の自尊心を満たす相手だと認識してしまっている。
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