ビューティー&ヘルス 「自分が偉くなった気がする」「何もしたくない…」。気分の浮き沈みがコントロールできなくなる病「躁うつ病」

こんにちは、公認心理師、精神保健福祉士の水口明子です。昔に比べてうつ病といったメンタルヘルス不調は社会問題として周知されるようになってきました。皆さんの中にもうつ病と聞くと、詳しくは知らなくても心の病であり、気分の落ち込みなどの症状が出てしまうということは知っている、という方が多いと思います。それでは、「躁うつ病」と聞いてどんな病だと知っているでしょうか。「躁うつ病」は双極性障害とも言われる心の病であり、気分が高揚する「躁状態」と、気分が低下した「うつ状態」が、交互に起こる病気です。ご本人さえも気分が低下したときばかりに目がいき、うつ病だと誤解されている場合が多い「躁うつ病」について、今回はご説明させていただきます。

気分の浮き沈みが波のようにやってくる

「躁うつ病」は気分が上がったり下がったり、気分の波が交互に起こる病です。誰でも気分の良い日もあれば、逆に悪い日もあると思います。しかし、それは何か理由があってのこと。躁うつ病は、誰でもあるような気分の浮き沈みを、自分ではコントロールできないほどの激しい躁状態、生きているのが辛くなるほどのうつ状態を繰り返してしまうのです。

躁状態とうつ状態が波のように起こる病ですが、そのどちらもがおさまった、何の症状もない時期もあります。そのときには病気ではない人と変わりがないのも、この病気の特徴なのです。

繰り返す周期は人によって違います。1年ずつという場合もあれば、2~3か月で反転していく人もいます。

自分が偉くなったように感じてしまう躁状態

うつ状態は、1日中沈んだ気持ちになる、さまざまなことに興味を失って普段なら楽しくやれていたことも楽しめない、食欲が低下(または増加)したり、体重が減少(または増加)する、などの事柄が、2週間以上続く場合を言います。

一方の気分が高揚する躁状態ですが、

1.気分が良すぎたり、ハイになったり、興奮したり、調子が上がりすぎたり、怒りっぽくなったりして、他人から普段のあなたとは違うと思われてしまう
2.自分が偉くなったように感じる
3.いつもよりおしゃべりになる
4.色々な考えが次々と頭に浮かぶ
5.注意がそれやすい
6.活動性が高まり、ひどくなると全くじっとしていられなくなる
7.後で困ったことになるのが明らかなのに、つい自分が楽しいこと(買い物への浪費、性的無分別、ばかげた商売への投資など)に熱中してしまう

といった症状のうち、少なくとも1.を含む、4つ以上(1.が怒りっぽくなるのみの場合は5つ以上)の症状が、1週間以上続く場合を指します(DSM-5「精神疾患の診断・統計マニュアル:アメリカ精神医学会版(2013)」参照)。

機嫌が良い状態が多いものの、ちょっとしたことで怒りっぽくなってしまうのも特徴です。また、気分の高揚がひどい場合には、普段は真面目な人でさえ、後先を考えずに高額な買物をしたり、暴力を振るうなどの行動を起こすことあります。極端なことを言うと、服の趣味が変わったり、声のトーンさえも変わることもあるのです。自分が偉くなった感覚に陥る場合などは、人間関係を壊す結果になることもあります。

躁状態では怒りもコントロールできなくなる。
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