ビューティー&ヘルス 家族が「躁うつ病」に。躁状態をサポートしていくにはどうすればいい?

こんにちは、公認心理師、精神保健福祉士の水口明子です。前回、気分が上がったり、下がったり、気分の波が交互に起こる病「躁うつ病」についてお話させていただきました(前回はこちら)。その記事を元に、ある読者の方からご相談をいただきましたので、今回はその質問について回答していきたいと思います。

家族として、躁うつ病とどう向き合っていけばいい?

「夫にうつ症状が出て、一度うつ病で休職をしています。復職してからは仕事に意欲的になり、家族としては安心していたのですが、その数か月後にはまたふさぎ込むようになってしまいました。2度目の休職を本人が嫌がったこと、また薬の効果もあって仕事は続けていますが、調子が良いと本人が言っているときは、家族の休んだほうがいいという言葉は一切受け付けつけず、異常な頑張りを続けるのです。そして、何度かその症状を繰り返し、躁うつ病と診断されました。気分が下がった抑うつ状態のときの接し方よりも、意見を聞き入れてもらえなくなる躁状態のときにどう接したらいいのか、行動をどこまで注意していいのかがわかりません」(紀子さん<仮名>。専業主婦・50歳)
※プライバシーのため、一部変更しています。

躁うつ病がうつ病と診断されてしまう理由

まず初めに、「躁うつ病」ですが、最初の診断ではうつ病と診断されることが多い理由についてお話します。

これは医師の判断が間違ったということではなく、カウンセリングを長期間続けていかなければ躁うつ病は診断できないものであり、数回のカウンセリングでは患者さん自身が訴えるのは抑うつ状態のときの話が中心となります。その理由は、気分が高揚しているときはやる気に満ち溢れている状態なので本人も病気だとは思っていないことがほとんどだからです。なので、治療もその抑うつ状態をいかになくすかに焦点が当てられてしまいます。

うつ病と躁うつ病の治療では処方されるお薬もまったく違うものを、違う目的で処方されます。うつ病は気分の落ち込みをなくすという目的での投薬であり、躁うつ病は気分の上下の波をできる限り緩やかにしていくことが目的とされています。ご相談者さんの場合は、一時のうつ病のときのお薬によって、躁状態がより強くでてしまったように推測されます。

そのときの行動、気分を可視化する

躁うつ病の患者さんの家族は、どの様に対応するのがいいのか、悩まれてしまう方も多いですがこの病は、ご家族が躁うつ病について正しく理解し、可能であれば通院にも付き添うなど、家族と医師が1つのチームとなって治療を行っていくことがとても重要になります。

ご相談者さんが悩まれているのが躁状態のとき。ご家族としてできることは、睡眠と食事と適度な運動といった安定した生活リズムを整えていくことです。特に躁状態はあまり眠らずとも体の疲れを感じなくなっていたりするので、睡眠時間を確保することが大切です。何時になったら家の電気を消すなど、家族全員が協力して眠る時間だと認識してもらえるようにしてください。

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