ビューティー&ヘルス 母親が嫌いだと思う気持ちは悪じゃない。それでもうまく付き合っていきたいときの考え方

こんにちは、公認心理師、精神保健福祉士の水口明子です。新年を迎えてしばらく経つと、毎年カウンセリングでは母親のことをお話される方が多くなります。今年はコロナ禍もあり、帰省しなかった方が多かったかもしれませんが、例年は帰省して母親と多くの時間を共有することで母親のことを苦手、または嫌いだと感じてしまう方がいます。そして、その感情は多くの方が自分の中で悪いものだと思い込んでいます。今回は母親との関係に悩まれている方に向けて、心の負担を少しでも減らせる考え方をお話しさせていただきます。

母親が嫌いだという自分の感情を素直に受け入れてみる

読者の皆さんは母親のことが好きですか?

この質問にはさまざまな返答がありますが、嫌い、苦手など負の気持ちを答えることに対して、罪悪感を抱いてしまうことはないでしょうか。その罪悪感は、「親に対してそんな感情は抱くのがおかしい」、「家族なのだから」、「育ててくれたのだから」という、育ててもらったという恩に反するものだという思い込みからきているものです。

以前、依存症の中の1つとして母娘の共依存をご紹介しましたが、今回の嫌いという感情の中にも母親に対する依存が起こってしまっている可能性があります。その罪悪感は、自分の感情よりも親のことを優先しているということの表れだからです。自分の中に母親に対する負の感情があり、それを自覚していて辛いのにも関わらず、その気持ちを悪いことだと思い込んで自分の感情よりも母親を大切にしなければいけないという、母親ファーストになってしまっているのです。

母親を嫌いだと思うことは決して悪いことではありません。まずはその感情を素直に認めることが母親への依存を断ち切る一歩になります。

母親を嫌いな理由を他人に置き換えて考えてみる

では、母親のことが嫌いという感情はどこからきていると思いますか?多くの方は幼少期から長い時間を母親と過ごしていく中で少しずつ積み重ねられたものが関係しています。

まず、一般的に人を嫌う理由として、自分を否定される、自分の気持ちを汲み取ってくれない、自分の気持ちと相反する行動を起こされるなどが挙げられます。

これは母親に対してでも同じことなのです。相手を母親だと置き換えると、

・自分を否定される、自分の気持ちを汲み取ってくれない→厳しく育てられた、母親が自分よりも他のことを優先して放任されていた

・自分の気持ちと相反する行動を起こされる→過保護、過干渉などで母親が子どもを自分の付属物だととらえている。世間体を気にし過ぎる

となります。

子どもの頃は親に守られながら育つので、精神的にも物理的にも自立できない状況です。それが大人になり自立をしていく中で、精神的な自立に向かう気持ちと、それに反する母親に対する依存や執着といった感情の中で母親とうまく付き合えなくなっていってしまうのです。

“母親だから”に縛られていませんか。
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