ビューティー&ヘルス “今さら”と思わないで!新型コロナに1年間晒され続けた体と心に起こっていること

こんにちは、公認心理師、精神保健福祉士の水口明子です。日々報告される新型コロナの感染者数ですが、やや下火になってきたといってもまだまだ油断できる段階ではありません。3月に入り、新型コロナが騒がれ始めてから1年が経ちました。

最近「コロナ慣れ」という言葉がよく聞かれるようになりました。これは新型コロナに対しての恐怖の耐性ができたこと故の結果かもしれませんが、しかしその一方で、今になってメンタル面の不調が出てきている人が増えているのです。今まで何も不調がなかった方ほど、“今さら”とその不調を見逃してしまいます。今回は今までは平気だった方の中で何が起こっているのか、ある一例を解説させていただきます。

1年間無意識に心と体は頑張り続けていた

まず初めに、1年前に新型コロナウイルス」という聞きなれないウイルスが日本に入ってきたとき、皆さんはどのような感情を抱いたでしょうか。一概には言えませんが、おそらく「怖い」などの恐怖を感じた方が多かったと思います。これは未知なるものに対する、無知ゆえの恐怖です。人間は自分の知識では理解できないものに対して恐怖を抱くようになっています。

そして、今はコロナ禍の状況ではあるもののワクチンの開発も進んでおり、手洗い・マスク・アルコールなどが有効であるなどの情報も得ることができています。人によって違いはありますが、まったくの未知の状態からある程度の知識を持つことができているのです。例えるなら、一切光が入ってこない暗闇から少しの光が差し込み、薄っすらではあるが周りの景色が理解できるようになった、という感じでしょうか。

次に、その恐怖の段階をストレス反応に当てはめてみます。ストレス反応とは、ストレッサー(ストレスの元・今回は新型コロナ)によって引き起こされた、メンタル面(イライラ、悲しい、つらい、と感じる精神的なストレス)、身体面(不眠、食欲不振、便秘・下痢などの身体的症状)、行動面(外出拒否、拒食・過食、アルコール依存などの行動的反応)での反応を指します。

新型コロナというストレッサーに対して最初の反応としては恐怖であり、一時的に眠れなくなったり、外出するのが怖くなったり、人によってさまざまですが、メンタル、身体、行動面でのストレス反応が一時的に出た方が多かったと思います。この時期をストレス反応の「警告反応期」と言います。

しかし、多くの方の症状は一時的なもので、その後はストレスに遅行しようと体は機能を活発化させるなど、頑張ろうとします。その中でストレスに順応しようとするのです。コロナ禍の中でも仕事をするために外出せざるをえないと、感染しないように細心の注意を払うという、気を張り続ける状態が続きます。この時期はストレス反応では「抵抗期」となります。

そして、コロナ禍の中で無意識に頑張っている状態が続くと、体や心が疲れ切り、身体的やメンタル面に症状が出てきます。ショック期と同じような、眠れなくなった、体重の増減が出てきた、些細なことでもイライラするようになったなどの症状が該当します。これを「疲弊期」と言います。

抵抗期が長ければ長いほど、疲弊期の症状は強く出る方が多いとされています。今は「コロナ慣れ」という未知なる恐怖が和らいだものの、まだまだ新型コロナというストレスに晒され続けている状態で頑張るという、抵抗の切れ目になってしまっているのかもしれません。

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