ビューティー&ヘルス ストーカーへの正しい対応、心の距離を、心理師がお伝えします

こんにちは、公認心理師、精神保健福祉士の水口明子です。最近、タレントの中川翔子さんがストーカー被害を告白されたり、別のニュースではタレントのマネージャーにストーカーをした疑いがある女性が逮捕されたりと、「ストーカー」という言葉をよく耳にするようになりました。

ストーカーとは、ストーキングやつきまとい行為を行う人を指す言葉で、「ストーカー行為等の規制等に関する法律」が平成12年11月24日に施行されるなど、当然ながら犯罪行為です。ストーカーなどのニュースを見ると、皆さんの中には「なぜそのような行動をとったのか」と理解できない方も多いと思います。今回はストーカー側の心理について考えてみたいと思います。

ストーカー行為に及ぶ人には、相手に対する「執着心」と「支配欲」が強い傾向がある

つきまとい行為に及ぶ人の心理にはさまざまな分類がありますが、心理学的には、洞察力のなさ、拒絶的なスタイル、共感性欠如、易怒性、社会的なスキル不足、逸脱した性的嗜好、言語能力不足などが挙げられています。

ストーカー研究の第一人者といわれるポール・E・ミューレン博士によると、下記のような特徴があるとされています。

拒絶タイプ……元交際相手、元配偶者などをストーキングするタイプ。プライドが高く、別れを切り出されたことでプライドが傷つき、これに対する報復の感情が動機のひとつ

憎悪タイプ……ストレス発散のため、じわじわと被害者を攻撃し、苦しむのを見たり想像することで満足する。ストレスを溜めやすいタイプが多いとされている

親密希求タイプ(妄想タイプ)……相手と恋愛関係にあるといった妄想を抱いている

無資格タイプ……自分の立場だけで物事を考えて、自分の欲求をぶつけるためにストーキングに及ぶ。罪悪感は一切ないとされている

※上記はポール・E・ミューレン博士の著書「ストーカーの心理―治療と問題の解決に向けて」を参照

上記の特徴に共通するのが、相手に対する「執着心」と「支配欲」と言われています。特定のその人だけに受け入れてほしい、拒否されたくない、などの感情があるのです。このような感情がなぜ生まれてくるのかは、成育歴の中での満たされない心からそれを埋めるための行為とも取れるでしょうし、そもそもの精神疾患から生じるものであるとも考えられます。なので、この特徴を持っている人にはこの対応をといった対策がとれるわけではありません。

平成28年12月には「SNSによる連続したメッセージの送信行為」がストーカー規制法の規制対象行為に追加されている。

親しい人が別の誰かにストーカー行為をしている場合

つきまといなどの行為は相手の了解があるものではなく、一方的な思考から起こっているものです。先ほどの「無資格タイプ」のように罪悪感がまったくないことからも、自分の思考の正当性を認知してしまっている以上、まずおかしいことをしているとは認識していません。認識をしているのであれば、このような行為には歯止めがかかります。

被害者側の心理は多く見受けられるので、ここでは加害者側に近しい人たち(家族など)がストーカー行為をしていることに気づいたときの行動をお伝えします。

家族がストーカー行為を行っていると知った場合には、一度は止めるという行動を起こすと思います。しかし、先ほどでも述べた通り、本人が正当性を主張し続けていることが多く、個人だけでの説得には応じないことがほとんどです。

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