パニック発作がない場合も広場恐怖症に該当する
広場恐怖症は、「パニック障害」を伴う場合もありますが、パニック障害にあるパニック発作が必ず起こるというわけではありません。発作が起こってしまうかも、あの場所でもし発作が起こったときに逃げられない、という恐怖からその場所、状況を避けることが広場恐怖症なのです。
広場恐怖症は、恐怖、不安、または回避が6か月以上続き、また下記の状況の少なくとも2つに対して恐怖を感じて避けている場合に診断されます。
・電車、バス、飛行機など公共交通機関の利用
・駐車場や公園などの広い空間
・店、映画館、駅などの閉鎖されている場所
・列に並ぶこと、人混みなど人に囲まれている場所
・1人で自宅の外にいること(親しい付き添いの人がいないと出かけられないなどの症状もあるため)
詳しい判断基準は厚生労働省のメンタルヘルスサイトにありますので、ご確認ください。
「メンタルヘルス」パニック障害・不安障害https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_panic.html
「メンタルヘルス」広場恐怖の診断基準https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_panic_c.html
避けている状況下に自分を段階的に晒してみる
広場恐怖症の治療には、「曝露療法」が有効だとされています。暴露療法とは、不安で避けていた状況下での体験を段階的に積んでいくことで不安、恐怖反応を消していく方法です。
電車で恐怖を感じている場合は、まずは駅まで行ってみる、次に目的の場所ではなく1駅のみ電車に乗ってみるなど、段階的に避けていた状況下に自分を晒していきます。
しかし、電車に乗れない場合でも、実は目的地に恐怖を感じていたということもあります。その場合は目的地に行くという行為を段階的に積んでいく必要があります。暴露療法は自身でも行えますが、恐怖の根本を知るのには専門家の診断が重要となります。日常生活の一部に恐怖や不安を感じている場合は、一度医師に相談してみてください。