ビューティー&ヘルス 他人と比べても優越感と劣等感を持つだけ。“生きづらさ”を取り除く考え方

こんにちは、公認心理師、精神保健福祉士の水口明子です。最近、知人から「他人と比べるクセがやめられない」と相談を受けました。仕事としても同様の質問はよく受けます。実際に私もこの仕事を始める前は常に他人と自分を比較して優越感に浸ったり、落ち込んだりを繰り返し、そんな毎日にストレスを抱えていました。今回は、他人と比べてしまう人について、私の実体験も踏まえて気持ちを軽くする方法をお伝えします。

これまでの連載:https://suits-woman.jp/beauty_health/habitmind/

自分より不幸の人と比べて優越感に浸っても……

他人と比べてしまうことは、心理学的に名称を付けると「社会的比較理論」と言います。これは1954年に社会心理学者レオン・フェスティンガーによって提唱されたもので、その中で「人が他人と自分とを比較するのは本能である」と言われています。人は自分の能力や容姿、態度などをできるだけ正しく把握したい思いから、自分と周囲の人とを比較することで社会における自分の位置を確かめようとする傾向にあるとされています。

自分より下の人と比べることを「下方比較」、上の人と比較する心理を「上方比較」と言います。「下方比較」は自分よりも不幸な人と比較することで自分のほうがまだマシだと安心感を得ることです。

私も以前は同僚との仕事の差を比べて、年齢で比べて、独身か既婚者かでも比べ、さらには子どもの有無でも比べていました。何かに負けていれば、他に相手よりも勝っているところを見つけて、劣等感をかき消すためにその場限りの優越感に浸るのです。

そして、その場限りの優越感は長くは続かずに自分の卑屈さに打ちのめされていました。このサイクルは比べている限りずっと、続くのです。私自身、心が疲れてしまい仕事を離れようと考えたこともありました。

もう一方の「上方比較」には、ポジティブな上方比較と、ネガティブな上方比較があります。ポジティブな上方比較は、自分よりも優れている人を見て、自分も同じようになりたいと頑張ろうという気持ちにさせてくれるものです。向上心を持つきっかけにもなるので決して悪いものではありません。しかし、ネガティブな上方比較は、あの人に負けている、自分はダメだと成長を止めてしまいます

他人と比較してしまう人のほとんどは、下方比較、またはネガティブな上方比較で、他人と比較して、結果自分の欠点に気づいて落ち込むというサイクルになってしまっています。

勝っている部分を探す裏には劣等感が潜んでいる。
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