ビューティー&ヘルス リモートでは部下のメンタル不調に気づけない可能性も……。メールでできるコミュニケーション方法

こんにちは、公認心理師、精神保健福祉士の水口明子です。前回は「5月病(6月病)」についてお話させていただきました。今回はリモートになり、より難しくなった部下のメンタル不調の気づき方、うつなどに陥らないために上司の立場としてできることについてお話させていただきます。

これまでの連載:https://suits-woman.jp/beauty_health/habitmind/

異変に気づいた時点ですでに部下のメンタル不調は深刻な状態の可能性がある

「5月病(6月病)」でもお伝えしましたが、人はストレスがかかると身体面、心理面、行動面という順番で3つの反応が表れてきます。身体的な症状では、頭痛やめまい、胃痛や下痢などの不調が表れます。身体の不調が出ている中でストレスに晒されている状態が続くと心理的症状として不安やイライラ、怒りや悲しみなどの感情が表われてきます。そして最後には集中力が低下したり、無気力になったり、意欲の減退や不眠、飲酒や喫煙量が増える、ひきこもりがちになってしまうなどの行動面に表れます。

本人ではなく外から見た場合、異変に気付くのは最後の行動面でしょう。部下と上司という関係において、不安やイライラなどをぶつけることは少ないからです。

まず前提として、上司として部下の異変に気付いた時点で身体と心には不調が表れている状態だということを理解しておいてください。ここで異変に気づいて対処を行うことがとても大切になります。

普段からの「自己充足的コミュニケーション」が重要

コロナ禍前なら、上司と部下との関係であっても顔を合わせていればある程度のコミュニケーションは必然的に生まれていました。対面で挨拶を交わす際に、普段なら目を合わせて行っていたものが目を合わせなくなった、声が小さくなったなどの異変にも対面していれば気づくことができました。しかし、リモート業務になり対面という直接的なコミュニケーションが遮断され、異変により気づきにくい状態が生まれてしまっています。

では、どうすればいいのかというと、リモートであっても部下とのコミュニケーションがやはり大切になります。しかし、ただコミュニケーションを取ればいいのではなく、部下の自己開示を促す方法を取らないといけません。

コミュニケーションには「道具的コミュニケーション」「自己充足的コミュニケーション」という2つの側面があります。「道具的コミュニケーション」とは、コミュニケーションをスムーズな業務遂行のため道具のように使うことを目的として、例えば「企画書を出して」などを伝えるときに使用します。もう1つの「自己充足的コミュニケーション」は会話のやりとりが目的となり、「おはよう」や、「最近調子どうですか?」などの挨拶や雑談が含まれます。

「道具的コミュニケーション」は何かをしてほしいときに、「自己充足的コミュニケーション」には何かをしてほしいという気持ちはなく、コミュニケーションで自分を満足させるという方法です。リモートでの部下とのコミュニケーションを潤滑に進めるためには「自己充足的コミュニケーション」を用いることが有効です。

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