ビューティー&ヘルス 「相談して」「自分で考えろ」矛盾したメッセージを送る上司をうまくかわす方法

こんにちは、公認心理師、精神保健福祉士の水口明子です。終わりの見えないコロナ禍の状況に、普段は平気な方でもストレスによる心の不調を訴える方が増えてきている印象を受けます。昨年の夏ごろに、外出自粛と「GoToトラベルキャンペーン」という旅行をして、経済を回そうという2つの矛盾するメッセージが政府より出されていることによる心のストレスを取り上げました(記事はこちら)。これを「ダブルバインド(二重拘束)」と言い、「ダブルバインド」が起こると、人はどちらが正しいのかを判断できずに心のストレスを感じてしまいます。

今は外出自粛とオリンピックを敢行する政府からのメッセージに戸惑っている方も多いと思いますが、「ダブルバインド」は勤める会社の中で身近な人との関係でも多々起こっているのです。今回は働く堅実女子の皆さんに起こる可能性の高い、上司からの「ダブルバインド」についてお話させていただきます。

これまでの連載:https://suits-woman.jp/beauty_health/habitmind/

立場の違いが「ダブルバインド」の効果を強める

「ダブルバインド」とは、2つ以上の矛盾したメッセージを受け取った者が精神的なストレスを抱えることを意味しています。友人同士や立場が同じ人同士であればその矛盾状態を指摘できるので、大きなストレスを抱える可能性は少ないでしょう。しかし、その矛盾を指摘することができない、さらに応答しなければいけないという立場の違いがあれば、そのメッセージによって拘束されて身動きが取れない状態になり、ストレスを抱えてしまいます。立場の違いとは、社会でいうと上司と部下、家庭でいうと親と子などです。

社会での例を出すと、上司から「わからないことがあればいつでも相談して」と言われていたのに、実際に相談すると「それぐらい自分で考えて行動しろ」と注意を受けたという状況です。これには「いつでも相談をしてほしい」と、「相談せずに自分で考えるべき」という2つの矛盾したメッセージがあります。

さらに、2つ目のメッセージである「自分で考える」という行動をしていたところ上司から「勝手に行動するな」と注意を受けるといった更なる矛盾に悩む方もいます。

このようなことが繰り返し行われると、部下の方は主体性をどんどん失っていき、消極的になってしまいます。また、過度な緊張状態に置かれるとストレスを抱えてしまい、精神疾患を引き起こす場合もあります。

矛盾したメッセージに拘束されて心は疲弊してしまう。
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