「パワハラを受ける=仕事ができない」ではない
パワハラを受けて、すでに不眠や食欲不振または過食などの症状が出ている方は、我慢せずにパワハラを受けている事実を周囲に伝えることが大切です。
日本文化といっていいのかわかりませんが、日本人は辛いことを我慢するのが美徳、我慢して乗り越えた先には成長した自分がいる、というような考え方を持っている人が多いです。また、周囲と比べて「あの人は我慢しているのに我慢できない自分はダメ」、「仕事ができない自分が悪い」という考えに至る場合も多く、周囲にできない自分を知られたくないと、パワハラを受けていることを隠す方もいます。
しかし、ここで気付いてほしいのが、他人と比べることでしか自分を保っていないということ、そして他人からの評価は自分で想像したものにすぎないということです。
過去の記事「他人と比べても優越感と劣等感を持つだけ。“生きづらさ”を取り除く考え方」でもご紹介した通り、他人と比べても自己評価を上げることにはつながりません。
パワハラを周囲に訴えることができない人は、まず今の自分と未来の自分をイメージしてそれぞれの自分についての状態を書いてみてください。例えば今の状態であれば「上司からのパワハラにより〇〇の仕事がうまくいっていなくて辛い」など具体的に感情もプラスして書いてください。そして未来の自分ではなりたい自分をイメージして、例えば「仕事で〇〇の役職に就きたい」、または「結婚して仕事から離れる」などです。
そして今と未来を比べて、未来の自分になるためにすることに優先順位をつけていきましょう。仕事をより頑張りたい状況であれば、今を脱するために人事などに相談するという一歩を踏み出すきっかけになります。また、プライベートを充実させたくて今の仕事に固執していない自分に気づけたなら、状況が許すなら仕事から一旦離れてみるという選択を持つこともできます。
身体症状が出ている状況で我慢するのが一番良くありません。また、未来の自分に対するイメージが難しかった方は、すでにメンタルに大きなダメージを受けている可能性もあります。会社内の人への相談が厳しい場合はぜひ医師などに相談する機会を持ってください。