ビューティー&ヘルス パワハラを耐え続けてしまうと「学習性無力感」に陥る可能性があります

こんにちは、公認心理師、精神保健福祉士の水口明子です。前回、コロナ禍によって変化しているパワハラについてお話させていただきましたが(詳細はこちら)、今回はパワハラによって起こる心の変化として「学習性無力感」というものを取り上げていきたいと思います。

これまでの連載:https://suits-woman.jp/beauty_health/habitmind/

“何をやっても無駄だ”“頑張っても意味がない”と思い込む「学習性無力感」

前回、コロナ禍においてパワハラが増えているという実態をお知らせしました。それには、コロナ禍という逃げ場のないストレスに、上司も部下も晒され続け、心の余裕(ストレス耐性)が少なくなっている可能性が考えられます。

また、リモートワークへの変更や、できる限り人との直接的な接点をなくすことが推奨されている中では、周囲に相談するということがより難しくなり、当人はより孤独感を強めてしまっています。

パワハラを受けている方で、心の病を患ってしまう人の多くは我慢をし続けてしまっています

パワハラなどの攻撃を受けたときに人は「とうそう(闘争・逃走)」という状態に入ります。本能的に二つの意味のどちらかを選択して緊急事態を脱しようとするのです。しかし、我慢してしまう方はどちらも選択できていない状態となります。ここではまだどちらかを選択したい意思は持っていますが、その状態が続くことによって、どちらかを選ぶという選択さえできない無気力状態になってしまいます。それが「学習性無力感」です。

「学習性無力感」とは、ストレスに長期間さらされ続けたとき、抵抗したり、回避したりなどを自身で選択するという気力さえも失ってしまう心の状態を言います。

パワハラでは、上司から繰り返し否定されることで、「何をやっても無駄だ」「頑張っても意味がない」と思い込み、そこから逃げたり闘ったりなどすべての選択を諦めてしまいます。「もう何も考えない、何もしない」と、心が無反応になってしまうのです。

「学習性無力感」の恐ろしいところは、「上司が言うようにしなければならない」と無意識にいつからか思い込んでしまっていること。ちゃんと仕事をしなければならないという、責任感の強い方ほど学習性無力感に陥り、眠れないなどの身体症状が出て、その状態が続くとうつ病などを発症してしまいます。

学習性無力感は仕事から、プライベートなどすべてのやる気を奪っていく。
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