ビューティー&ヘルス 意見を伝える行動は同じでも……「自己肯定感」と「自己正当化」の違い

こんにちは、公認心理師、精神保健福祉士の水口明子です。さまざまなメンタル系の記事を拝見すると「自己肯定感」という言葉をよく目にするようになってきました。「自己肯定感」は簡単に言うと自分のことを認めて受け入れることなりますが、一方で自分のことを受け入れてほしいために自分の意見を押し付ける「自己正当化」というものがあります。今回は「自己肯定感」と「自己正当化」の違いについて説明させていただきます。

視点が他人にあるか、自分にあるか

まず初めに、「自己肯定感」と「自己正当化」を詳しく紹介します。

「自己肯定感」とは、自分のことを認めて受け入れることと先ほど言いましたが、自分のこととは“欠点も含めて自分自身を肯定的に受け入れる”ということです。また自己肯定感が高い人は自分の欠点(マイナス部分)よりも自分の長所に気づけているという特徴もあります。

一方の「自己正当化」とは、自分の言動などを周囲から否定されないように正しいと理論づけを行い、自分を正当化して周囲に受け入れられようとすることを言います。

自己正当化をしてしまう人は他人から否定されることを嫌います。なので、自分の意見があたかも正しいことだと、否定される部分を見せないために自分を肯定します。例を出すと、部下への叱咤がパワハラに当たると注意された場合には、「指導はあくまでも部下のことを思ってのこと。成長してほしいという思いがあった」というような言い訳をします。叱咤は「あくまでも部下への成長を促す行為であり、正しいことだった」と自分を正当化して、非を認めません。

どちらも“自分を受け入れる”という部分では同じように見えますが、視点が自分なのか、他人なのかという違いがあります。つまり、「自己肯定感」には自分の意見があり、「自己正当化」には他人が視点なので自分の意見がありません。パワハラ事例で言うと、部下に強く叱咤した根拠が自分の中にはありません。周囲に認めてもらうために建前しか持っていないのです。

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