ビューティー&ヘルス ネガティブ思考な人には「思考のクセ」があります。クセに気づく方法とは

こんにちは、公認心理師、精神保健福祉士の水口明子です。皆さんは何かを目にしたとき、例えば食べ物を見たときに「おいしそう」と思う人もいれば、「まずそう」と思う人もいます。これはそれぞれの思考によってその食べ物を認知しているということなのです。認知には思考が大きく関わってきています。さらに思考は人によってクセというものがあり、それによって人間関係において軋轢を生んでしまうことも…。今回はそれぞれにある思考のクセについて、また、その思考のクセに気づく方法をお伝えします。

思考が事実として認識されることがある

まずは「認知」についてご説明します。「認知」とはある対象を知覚したときに、それが何であるかを判断したり解釈することを指します。その判断や解釈には自身の思考が関係しています。

前述した食べ物について「おいしそう」という思考は、その食べ物を見たときに自動的に浮かぶ考え「自動思考」によって導き出されています。「自動思考」には、人それぞれのクセがあり、その思考のクセの元になるのは自身の価値観です。価値観の元を辿ると生育歴や教育歴、職歴、また日本という文化が含まれます。

「自動思考」は自動的に思ってしまうことなので、「自動思考」を導き出す思考のクセに本人は気づいていないことが多くあります。また、「自動思考」は頭に浮かんでいることで実際に起こっていることではないのに、その思考があたかも事実として起こったことのように錯覚することがあります。

思考が事実に変わってしまうことの例を出して、解説していきます。

◆仕事においての事例

Aさん、Bさんという2人はともに部署移動の辞令が出ました。その辞令によって2人はまったく異なる自動思考が作られます。

Aさん
事実:〇〇の部署に配属辞令
自動思考:自分は今の部署では、上司から嫌われているから飛ばされたんだ。もう自分は会社でのキャリアはないかも

Bさん
事実:〇〇の部署に配属辞令
自動思考:今までの仕事とは全然異なるが、また違う分野を知ることができるな。暇な部署らしいけど、今までが忙しすぎた、資格を取るチャンスかも

ともに辞令という同じ事実なのに、まったく異なる自動思考になり、結果、Aさんは仕事に対する意欲を失ってしまい、Bさんは前向きに新たな気持ちで仕事に取り組むことができます。

ここで気づいてほしいのは、どちらの自動思考も事実として確認したことではないということ。極端に言うと、それぞれの思い込みに過ぎません。その思い込みもBさんのようにポジティブなものならばいいのですが、Aさんのようにネガティブなものであればメンタル不調を起こすきかっけになってしまいます。Aさんの自動思考は「認知のゆがみ」といって、思考のクセによって悪いほうにばかり考えてしまっているのです。

当人から直接言われた事実はないのに、「あの人から嫌われている」と確信を持ったことはないですか?
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