ビューティー&ヘルス 高めればストレスにも強く!企業向けメンタルヘルス研修でも使われる「レジリエンス」とは

こんにちは、公認心理師、精神保健福祉士の水口明子です。皆さんは「レジリエンス」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。まだまだ馴染みがない言葉かもしれませんが、企業のメンタルヘルス研修ではよく使用されています。直訳すると「復元力」や「回復力」という意味になり、心理学においては「逆境から素早く立ち直り、成長する能力」などと定義されて使われています。今回はこの「レジリエンス」についてご紹介します。

ストレスに晒されてからの回復を示す「レジリエンス」

「レジリエンス」という元々ある言葉が心理学に応用されたのは、1980年代にレジリエンス研究の第一人者であるペンシルベニア大学ポジティブ心理学センターのカレン・ライビッチ博士によってです。

ライビッチ博士によって前述したように「逆境から素早く立ち直り、成長する能力」と定義されていて、日本では乗り越える力など精神的な回復の意味を持つことが多い言葉となります。

精神的な回復とは、ストレスに晒されたときの心のダメージを受けてからの回復を指します。

「レジリエンス」には6つの要素があり、この6つの要素にはその精神的な回復をするために知っておくと有効なことで構成されています。解説を加えた内容は下記の通りです。

自己認識……自分の感情や思考のクセ、強み・弱みなどを正しく認識すること
自制心……自分自身の感情や欲望などをうまく抑えたりコントロールするなど、律すること
精神的敏速性……物事を多方面から捉え、大局的な観点から捉えること
楽観性……自分には未来を良くすることができるという自信を持つこと
自己効力感……問題解決を「自分はできる」と確信を持つこと
つながり……家族や友人、同僚、組織といった自分以外の人とのつながりのこと

6つの中で、「自己認識」と「精神的敏速性」について詳しく解説します。

「自己認識」には思考のクセが関係しています。 前回の記事でもご紹介しましたが、考えにはクセというものがあります。思考のクセは価値観に基づいたものとなり、例えば、なかなか連絡が取れない友人に対して、無視されていると思うのか、何かあったのではないかと思うのかは、それぞれ思考のクセによって違います。自分の思考によって「1つの連絡がない」という事実がさまざまな憶測と結びついているのです。

ここで大事なのは、「無視」「何かあった」はどちらも実際に起こった事実ではないということ。自分の思考のクセを知るだけで、「連絡が取れない」という事実と、「無視」「何かあった」という思い込みを分けることができます(詳しくは前回の記事へ)。

また、「自己認識」では、ストレスのかかる逆境に陥ったときにその状況が「辛い」と自己認識していると、心が完全に疲れ切ってしまう前にその場から逃げ出すこともできます

もう1つの「精神的敏速性」は、多方面から物事を捉えることとともに、自分を客観視することを指します。どうしても逆境に陥ると人は感情というものもあり、適切な解決策を見失います。そのときに多方面からの視野や自身を客観視する能力があれば、辛い状況を素早く認識して、それが立ち直ることにつながります。

1 2