睡眠導入剤は「軽い薬」ではない
上の症状に合わせて睡眠薬・睡眠導入剤が処方されます。基本的には医師が症状に合った薬を処方してくれるので、薬の名前などに詳しくなる必要はありませんが、ごく簡単に4つの分類を説明しましょう。
薬効成分の血中濃度が最高到達度の半分になるまでにかかる時間を「半減期」と呼びます。睡眠薬はこの「半減期」の長さによって、次のように分類されます。
(1)超短時間作用型(3〜4時間程度):薬の名前「ハルシオン」「アモバン」「マイスリー」など。「睡眠導入剤」と呼ばれるのがこのタイプ。
(2)短時間作用型(5〜6時間程度):薬の名前「レンドルミン」「リスミー」「デバス」など。
(3)中間作用型(12〜24時間):薬の名前「ヘンザリン」「ユーロジン」「サイレース」など。
(4)長時間作用型(24時間以上):薬の名前「ネルボン」「ソメリン」「インスミン」など。
睡眠導入剤とは(1)の超短時間型の薬のことです。寝つきの悪い人=入眠障害の人に処方されます。
不眠症のかなりの人が「寝つきが悪い」を訴えられ、睡眠導入剤が処方されます。導入剤と聞くと、なんとなくそれほど強くない薬、副作用も心配なさそう……と思われるかもしれません。実際、「睡眠導入剤だけなら心配ないだろう」と服用を続けている方が少なくありません。しかし、半減期が短いというだけで、効き目の強弱、副作用の強弱とは関係ないのです。どうか「睡眠導入剤は軽い。睡眠薬とは違う」と思わないでください。
医師の診断を受けるときは、自分の眠れない状況をきちんと説明すること、そして処方された薬は用法を守って飲みましょう。

不眠が続く。つらい。時間を取って診察を受けましょう。