前回、医療用の万能保湿剤「白色ワセリン」「プロペト」についてご説明しました。お風呂上がりも「白色ワセリン」ですぐ保湿すれば、乾燥肌のかゆみはかなり抑えられます。しかし「かゆみ」がもっと進行してしまった場合はどうすればよいか。今回は、かゆみ(炎症)が重症化してしまった場合についてお話しします。
“かきこわす”前に、かゆみ止めで抑えることも大事
始まりはなんの変哲もない乾燥肌も、かいているうちに炎症はどんどん悪化し、広がります。「かく」こと自体がヒスタミンの遊離を活発にするからです。さらに、皮膚をかきむしって「かきこわし」てしまうと、その傷口から細菌が侵入しやすくなり、細菌感染すればますますかゆくなります。この状態になると、薬効成分が入っていない「白色ワセリン」や「プロペト」だけでは対処できません。かゆみ、炎症を抑える「かゆみ止め」を使って、かかなくても済む状態にする必要があります。
ドラッグストアで買える「かゆみ止め」の成分や効き目の強さはさまざまです。ステロイドを含まない「かゆみ止め」の成分には次のようなものがあります。
<抗ヒスタミン成分>・ジフェンヒドラミン塩酸塩・クロルフェニラミンマレイン酸塩
<かゆみ止め成分>・クロタミトン・グリチルリチン酸ジカリウム
<保湿成分>・ヘパリン(ヘパリン様物質)・尿素
ジフェンヒドラミン塩酸塩はとてもポピュラーな成分です。「かゆみ止め」として一般的な「レスタミン」の有効成分であり、また市販の睡眠改善薬の有効成分でもあります。かゆみに効き、眠れない夜にも効く。旅行に持って行くならコレと言いたくなるようなお薬です。ヘパリンは以前ご説明した「ヒルドイド」の有効成分です。