ビューティー&ヘルス 【働きながら妊活しましょ】避けて通れない「体外受精のやめどき」の考え方〜その3〜資金はあるけど卵子がない場合

一般的に、1回に60万円以上かかるとされる体外受精。「資金の切れ目」と「卵子の切れ目」がやめ時のタイミングですが、一方で、資金はあっても悩ましい場合があります。引き続き、認定不妊カウンセラーの笛吹和代さんにうかがいます。

ドクターショッピングの旅が始まる

不妊治療をするすべての人にとって悩ましく、つらい決断になる「体外受精のやめどき」。特に悩ましいのは「資金はあるけれど卵子が採れない」場合です。

卵子がいつ採れなくなるのかはだれにもわかりません。体調はもちろん、薬の相性もあるでしょう。治療を続けるつもりでいたのに、卵子が採れなくなって治療をやめざるを得ないとなると、心の整理がつかず葛藤が大きくなりやすいもの。

しかし資金はあるとなると、通院していたクリニックではムリでも他のクリニックならできるかも……、そう考えて転院を繰り返す人がいます。私がご相談を受けた方の中にも、名医という名医を求めて全国各地を点々とした人がいました。どこかで妊娠できるのではという期待が捨てきれないのです。技術が進んでいるという期待もあります。違う方法でやるから「今度こそ」という期待が捨て切れません。捨て切る理由がないのです。資金が底を突いていれば強制終了させられるところが、それもない。このパターンがもっとも悩ましいかもしれません。

やめられない理由を分析する必要がある

実際、近年の体外受精の技術は日進月歩です。未成熟の卵子を採卵して培養する技術も、今はあります。高度な技術をもったドクターのいるクリニックへ転院し、残された可能性に賭けるというやり方はあり得るのです。

ただ、気軽にお勧めできることではありません。腕のいいドクターのいるクリニックは都心でも少数ですし、当然そういうクリニックは予約でいっぱい、料金も高額です。さらに、東京在住の人はまだしも、地方在住者は通院する交通費だけで大変な金額になります。

40代に入ってくれば、妊娠の可能性は低いことは自分でもわかっている人が多いです。しかしやめられない。医師サイドから「これ以上続けても可能性は低い」と治療終了を告げられることは、あまりありません。クリニックによっては、ある程度の年齢制限を設けているクリニックがないわけではありませんが……。ある医師はこんなふうに話していました。「妊娠の可能性は低いから治療はこれでおしまいと、患者に言うことはありません。患者さんは医師に技術を求めて来ている以上、それを提供するのが私の仕事だ」と。

年齢的な問題があっても、AMHが低くても、お金がある限り体外受精が止められない。その背景にある、やめられない心理状態を自分で冷静に見きわめる必要があります。

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