ビューティー&ヘルス 【働きながら妊活しましょ】避けて通れない「体外受精のやめどき」の考え方〜その4〜キャリアデザインに縛られない

体外受精を何回まで行なうか?費用、年齢、卵子の状態、仕事……考えなければならない要素がありすぎます。続けるにしろ、やめるにしろ、本当に難しく、厳しい決断を強いられることが多いです。メンタルへの影響も大きいし、逆に心理的なこだわりが強すぎて結論が出せない場合もあります。今回も認定不妊カウンセラーの笛吹和代さんから、やめどきの考え方をうかがいます。

体外受精はギャンブルなのか?

経済的な理由であれ、年齢的な理由であれ、不妊治療の終了を決めるのは辛いことに違いありません。その辛さが想像できるがゆえに治療をやめられないという女性を、私は何人も見てきました。今回は、不妊治療をやめられない心理について考えてみます。

ひとつは、ある種のギャンブル性です。前回、体外受精の確率論でふれましたが、これも数打ちゃ当たる的な考え方につながるものがあります。転院を繰り返して新しい方法を試みながら体外受精を続ける人は、「次こそは」「次こそは」と期待しているのです。これは「次こそ当たるかも」というギャンブルに近いと思います。だからやめられないのです。

さらに、これまで治療にかけてきた金額の大きさを思うと、ますます途中でやめられない心理が働きます。たとえばトータル300万円注ぎ込んだ、もう“後には引けない”という心理です。これもギャンブルと共通するところもかもしれません。

思い描いたキャリアデザインをくずしたくない

やめられない人の心理に、妊娠できない=人生の失敗と捉える人が少なからずいらっしゃいます。比較的、どんなことにも真面目に取り組んできた人に多いように見受けられます。これまで努力して夢をかなえてきた、目標を達成してきたという人が、不妊治療では努力してもかなわない、むくわれない現実に直面します。そのショックが大きすぎて挫折感につながってしまうのでしょう。

特に、「結婚して、子どもはふたり。私は専業主婦で夫と子どもを支える」といった将来図を描き、「郊外にマイホームを建てて、毎日手づくりのお弁当、お菓子を作り、お受験対策もしっかり」といった生活を理想にしてきた女性にとっては計り知れない痛手です。「子どもがいない人生なんて考えられない」のですから。

それぞれの価値観、人生観なので、これにアドバイスをすることはできません。ただこうした価値観を醸成する世の中の空気があると、私は感じています。先日も30代〜40代向けの女性誌をぺらぺらとめくっていたら、女性の「勝ち組・負け組」のイラストが目につきました。勝ち組のイラストには子どもがいて、負け組には子どもがいないのです。こうしたイラストを見るにつけ、女性たちはこういう価値観を知らず知らずにすり込まれてしまうのかも、と思うのです。

子どもがいない人生を考えられない人が不妊治療をあきらめる辛さは、想像を超えます。その人の性格、仕事を持っているかどうか、持っているなら仕事の内容などにもよりますが、そうではない別の人生を思い描けるかどうか。それができないうちは、やめられないと思います。

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