ビューティー&ヘルス 【いつかのためのプレ妊活】40代の高齢出産も増えているけれど……出産適齢期はいつ?

将来、子どもがほしい……のであれば、今パートナーがいてもいなくても少しずつ準備しておきましょう。いつか妊娠、出産する日のために、今できることから始めてみませんか? 認定不妊カウンセラーの笛吹和代さんがあなたの悩み、疑問に答えます。

今週の質問はこちら。

「以前は35歳が高齢出産と言われていたそうですが、今はどうなんでしょう。不妊治療が高度化していて40代でも産む人が増えていますよね。35歳くらいまでなら普通に妊娠する可能性が高いと考えてもいいでしょうか?」(フリープログラマー/30歳)

医療が進歩しても、身体の仕組みは変わらない

先週は、将来子どもが2人欲しいけれど30歳からの妊活で間に合うか? という質問にお答えしました。今週の質問を見ても「35歳までは出産適齢期神話」がかなり浸透してしまっているなあと感じます。

昔は35歳で高齢出産と言われたけれど、今はそんなことはない、40代で生んでいる人もたくさんいる、35歳はもう高齢出産じゃない! と思わせるような情報があふれているのだと思います。

医療が進化しても、不妊治療の技術が進歩しても、人間の身体の仕組みは昔からほとんど同じです。35歳以降は高齢出産と言われているのは、それなりに根拠があってのことです。

もちろん、35歳を過ぎたからといって突然妊娠できなくなるわけでも出産できなくなるわけでもありません。ただ、ひとつ確かな事実があります。年齢ととともに、健康な人でも妊娠可能性はどうしても低下していくということです。

卵子の数は生まれた直後がいちばん多い

いろいろな指標がありますが、一般的には妊娠適齢期は20代半ばと言われています。その後、妊娠率はゆるやかに低下していきます。

「35歳までなら普通に妊娠できる」と考えていらっしゃる人は、「35歳までなら、いつ産んでも変わらない」と思っていませんか? 30代に突入したら30歳で産んでも35歳で産んでも、体力的な衰えは多少あるにせよ、産むこと自体に大きな差はないんじゃないか……と。

しかし、違うのです。いちばん明確なのは卵子の数です。

(出典:厚生労働省)

実は卵子の数は胎児のときがいちばん多く、生まれてからは急激に減少しつづけます。なんと生まれる前は700万個もあった卵子が、20歳では20万〜30万個しか残っていません。35歳の時点で、さらに少なくなっていることがわかるでしょう。

いくら医療が進歩しても、卵子の数の減少が変わるわけではないのです。もちろん個人差はありますが、卵子が年齢とともに数が減っていくことに変わりはありません。

上のグラフでわかるように「40代でも妊娠できる」は決して普通のことではありません。先週もご紹介しましたが、体外受精を行っても1周期あたりの妊娠率は35歳で2割以下、40代は1割以下です。……と、ずいぶんきびしい話を続けましたが、「35歳までなら普通に妊娠できる」という言葉に根拠はないことを、心に留めておいていただきたいと思います。

厚生労働省のHPからも妊娠・出産のデータにアクセスできます。

賢人のまとめ

「35歳までならいつ産んでも同じ」わけではありません。有名人の「40代で出産」ニュースに安心せず、正しい知識を身につけていきましょう。

賢人プロフィール

妊活の賢人笛吹和代

働く女性の健康と妊活・不妊に関する学びの場「女性の身体塾」を主宰する「Woman Lifestage Support」代表。日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー。臨床検査技師でもある。化粧品メーカーの開発部に勤務中、29歳で結婚。30代で不妊治療を経て出産。治療のために退職した経験から、現在は不妊や妊活に悩む女性のための講座やカウンセリングを行なっている。著書に『あきらめない妊活〜キャリアと不妊治療を両立させる方法』がある。