将来、子どもがほしい……のであれば、今パートナーがいてもいなくても少しずつ準備しておくに越したことはありません。 今回は、前回に引き続き卵子凍結について知っておきたい基礎知識を、認定不妊カウンセラーの笛吹和代さんがレクチャーします。(→その1)
ポイントは体外受精の施術方法
ここ数年、卵子凍結を行う不妊治療クリニックが増えてきました。特に東京は、この一年でずいぶん増えているようです。
では、どんな不妊治療クリニックを選べばいいのでしょうか。私は、クリニック選びは十分にリサーチし、焦らず決めてほしいと思っています。
選び方のポイントは第一に、体外受精をどの方法で行っているかです。
不妊治療クリニックは、なるべく自然に近い状態を保持する「自然周期や低刺激採卵」を主とするクリニックと、排卵誘発剤を使ってたくさんの数の排卵を促す「高刺激採卵」を主とするクリニックの大きく2つに分かれます。低刺激と高刺激どちらも可能なクリニックもあります。
さて、凍結する卵子は一般に15〜20個、多い人で30個ぐらいです。ずいぶん多いと思われるかもしれませんね。将来解凍後に受精卵を作る際に、これぐらいは必要と思われる数です。もともと保険のような意味合いがありますから、取っておくなら十分な数を取っておこうという考えもあるでしょう。
これだけの数を採卵するためには排卵誘発剤を使います。つまり「高刺激採卵」を行っている不妊クリニックのほうが適しているといえます。
採卵時の状態、状況によりますが、1回で10〜15個の卵子が採卵できます。20個凍結したいなら2回の採卵で済む計算です。
1回の採卵にかかる費用は20〜50万円です。こんなに幅があるのは、自由診療なのでクリニックによって価格がバラバラだからです。高刺激治療であれば2回の採卵で40〜100万円かかります。
一方、低刺激派のクリニックなら使う薬の料が少ないのと採卵できる卵子の数も少ないので採卵料金は安くなります。が、1回の採卵で数個しか採れませんので、20個採卵するには何回も採卵する必要があり、トータルでかかる費用は高刺激で行った場合と変わらないか、もしくは高くなるでしょう。また、20個採卵するまでには半年、1年と長くかかるでしょう。