探偵歴10年以上、浮気調査に定評のあるリッツ横浜探偵社・山村佳子が目撃した、男と女の浮気事情を紹介するこの連載。
今回の依頼者は、結婚10年の専業主婦・松本桜子さん(仮名・42歳)。仕事復帰に反対する10歳年上の夫と離婚して、自由を手に入れたいとのこと。離婚に反対するであろう夫を説得するだけの証拠を得るために、調査に入りました。
その1はこちら
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桜子さんがカウンセリングルームに持ってきた旦那様の行動記録データを精査し、調査日を特定していきました。
「夫は毎週水曜日と金曜日に、接待とプロジェクト会議が入ると言って遅くなります。怪しいのはこの2日間ですね。あとは、月に2回の地方出張です」
ひとまず、平日水曜日の夜から調査に入ることになりました。旦那様の会社のビルは、都心にあるオフィスビルで、出口が数か所あります。しかし、社員の出入り口は1か所のみ。そこで夕方から張り込むことにしました。
依頼者・桜子さんから、朝出て行った旦那様の服の画像が送られてきました。クリーム色の麻素材のスーツで、一昔前に流行した“ちょいワル”風ファッション。紺やグレーのスーツが多い会社なので、すぐにわかりました。
旦那様は育ちの良さが漂う立ち振る舞いをしており、清潔な雰囲気。出世する男性が持つオーラを持っています。
調査初日は会食で、上司らしき男性3人と18時に会社を出て、丸の内の有名なステーキハウスに入っていきます。予約で満席かつ、このレストランに入ると3時間は出てこないお店なので、じっと待ちます。
9時過ぎに6人で出てきた旦那様は、そのうち2人と有楽町の居酒屋さんへ。私たちも隣の席を確保し、彼らの話をそばで聞きます。旦那様は声のトーンが柔らかく、落ち着いた好人物。
居酒屋で一緒にいるのは、上司と同僚でした。彼らは会社や人の悪口を言っていたのに、旦那様はどんなにお酒が回っても、これからの事業戦略の話ばかりしていました。私たちも「出世する人は違う」と思ったところで、10時30分にお開きに。
同僚と別れた後、コンビニに向かい、購入したのは……