コラム 【浮気事件簿】恋人いない歴44年の純真女子に接近する、“他人なりすまし男”の正体~その2~

探偵カーを取り寄せて、翌朝も張っていると、彼はスーツを着て都心の会社に出勤していきました。

5日間調査をしたうちの2泊は、依頼者・響子さんとの逢瀬に使っているマンションに泊まっていましたが、別の女性の影はありませんでした。

調査報告書を響子さんに提出すると、「なんなんですか?これは」と驚いていました。さっぱりわからないという感じです。私たちも、彼の行動と狙いが何にあるのかわかりません。正直、このようなケースは初めてでした。

「表札の名前と名刺の名前が違うのもショックです。これは他人の名刺なんですよね。早く離れるように頑張ります」と、響子さんは泣いていました。

それから3日くらい経って、依頼者・響子さんから連絡がありました。

「証拠を見せながら、彼に真実を聞こうとしました。するとすぐに『ごめんなさい』と謝られました。あの家は彼の実家で、彼は持病がある両親の世話をして暮らしていたとか。家も裕福とはいえず、高校も大学もバイトの連続で恋愛も遊びもせずに過ごしてきたと……」

彼のマンションは、名古屋に1年間転勤している友人の家でした。

「友達が1年間転勤している間、家の様子を見ることを頼まれていて、ときどき風を通しに来ながら、泊まっていたそうです。名刺もお友達のものでした。彼は『老親を抱えているから女性に嫌われてきた。汚い家の貧乏な人と言われてきて、別人になりたいとずっと思っていた。土日にデートできなかったのは、親の通院や家のことがあったし、介護費用の足しにバイトもしていたから。ウソをついていて悪かった。でも響子に一目ぼれしたのは本当』と言って泣いていました」

夜しか会えないのは、仕事と介護が忙しいからだったそう。

「本名を隠していたのも、財布の中に何も入っていなかったのも、私にバレるのが怖かったからだと言っていました。どうもお父さんがいろいろ過去のある人みたいで……。すべてを話したら彼はホッとして、私の前で泣いていました。その姿を見て、一緒に生きていこうと思ったんです」

その後、響子さんと彼は、結婚を前提として交際をスタート。お互いの両親に紹介し、結婚も秒読みだと言います。

彼は会う時はプレゼントをくれるなど、響子さんに対して誠意を尽くしていた。

今回の調査費用は、50万円です。

※本連載はプライバシーに配慮し、一部書き換えています。

賢人のまとめ

出会いの形が多様化する昨今は、このような身辺調査の依頼も増えてきました。

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プロフィール

山村佳子

夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定 メンタル心理アドバイザー JADP認定 夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。
地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/