その結果、光弘さんは手近な女性に興味を持たず、恋愛に恐怖心を持ち、性に対して強い警戒心を持つようになったのです。今までの恋愛について伺うと、「全くありません」と言います。
「自分はまだ女性と交際したこともなく、キスを含め肉体関係を持ったことがありません。父から『女性は被害妄想が大きい。思い通りにしないとキレることがある』などと言われています。だから、恋愛はしたくないんです。でも、最終ゴールとして結婚があるなら、女性も何も言わないと思いました。ちょうど20代後半から、結婚願望がものすごく強くなってきて、マッチングアプリや婚活アプリでいろんな人と会っているのですが、なかなかいい人に会えませんでした」
そんな中、「運命の人」と思ったのが、今回調査対象となる女性。隠し撮りしたのでしょう、写真を見せていただくと、つやつやのロングヘアのモデル体型の美女。背景は都心のハイエンドホテルのティーラウンジです。
彼女は真冬にも関わらず、ノースリーブのニットワンピを着ています。細いのにふっくらとしている、肌つやつやの二の腕がなまめかしい。自分の魅力をよくわかっている女性の典型的なパターンです。このタイプにエリート男子は弱いもの。
「これは3回目のデートです。会話はいつも彼女の趣味である、古い建築巡りの話が中心で、自分のことを全く話しません。自己開示がまったくないんです。デートには応じてくれるものの、こちらもどうしていいかわからない。そうこうするうちに彼女と本気で結婚したくなり、なんとか彼女の実情を調べていただきたいのです」

依頼者の理想の女性という彼女は、ロングヘアで物憂げな表情をしており自分のプライベートを話さないという。
※本連載はプライバシーに配慮し、一部内容を変えています。
相手によって、コスプレのように服を変える「理想の彼女」。その行動で依頼者の人生が変わる……~その2~に続きます