麗子さんからは、「念のため、まるっと1週間調査してください」と依頼をいただき、翌日も張り込み。2日目、3日目の昼までは変化はありません。
3日目の夕方に、ふっくらとした体形の女性が、旦那様が経営するサロンに入って行きました。彼女は2時間後にツヤツヤのヘアスタイルになって出てきて、駅の方に歩き始めます。すぐに旦那様がサロンから出てきて「ちょっと待ってて」と呼び止めました。
彼女の写真を即座に撮影。麗子さんに送ると「この女性が妊娠している女性です」と返事が。
旦那様と女性は、サロン近くのカフェに入ります。旦那様は人目を気にすることなく手を握り、「体調は平気?」などと、ちょっと鼻にかかる甘い声で話しかけていました。
女性は、30代前半でしょうか。身に着けているモノも高そうで、彼女は相当なお嬢様っぽい。女性は「ママが赤ちゃんの事、喜んでくれたよ。ありがとうね」などと旦那様に話しています。
2人の会話はサラっとしており、感情の絡み合いがない。そのために、恋人同士というより、仲がいい友達のようです。カフェはうるさく、会話が聞きとりにくかったのですが、私たちが事務所に帰って音源を確認して話をまとめると、彼女のお腹の中には、旦那様の子供がいることは間違いない。ただ、彼女は結婚願望がなく、子供は欲しい。その結果として、旦那様に依頼し、妊娠を狙っていた。その後、シングルマザーでその子を育てようとしていることがわかりました。
旦那さまも「認知するし、できることはするよ~」などと、楽しそうに話し合っているのです。それは海千山千の私たちも、ゾッとしました。
彼女を尾行すると、都心の高級タワマンに帰っていきました。
以上、3日間の調査報告をまとめて麗子さんに提出。
「なんか、気持ち悪いですね。たぶん、他にも調べれば女性は出てくると思います。これで十分です。こんなことをしているのに、私に対しては“愛している”“世界最高の妻だ”などとささやき、相変わらず優しいんです。おそらく、夫は幼いころにネグレクトされている。人から構われたり愛されたりすることが、本当に好きなんでしょうね」
以上の調査から、麗子さんは旦那様の流されやすさに、飽き飽きしたとのこと。今は、弁護士を間にたてて、スムーズな離婚に向けて準備しているとのことです。
今回の調査費用は、60万円です。

※本連載はプライバシーに配慮し、一部内容を変えています。