そこで出会ったのが、旦那様でした。シマコさんより14歳年上の彼は、当時38歳。ライオンのたてがみみたいな長髪と、180cm近くある長身、APCのチノパンに、セント・ジェームスのボーダーシャツを着て、アニエスベーのジャケットをサラッと着こなしていたと言います。しかも、彼のおじいさまはフランス人で、クオーターならではのエキゾチックな雰囲気に、一目で恋に落ちたそうです。
「私は超~遅れてきたオリーブ少女なんです(笑)。映画はいまだに『アメリ』が好きですし、洗練されているのにかわいいヨーロッパに生まれたかった。そんな私のまさに理想の男性が教壇に立っていたので驚きました。ごつごつと骨ばった指に、アンティークのロレックスの時計が映えていました。彼のフランス語の鼻母音の発音を聞くと、体がとろけてハチミツになっちゃうんじゃないかと感じて。プジョーの自転車に乗って通勤しているところも、メガネ(白山眼鏡)を神経質にかけなおすクセも何もかもがカッコよくて好きでした。女の子たちからもホントにモテていて、友達に頼んで独身かどうか聞いてもらったら、バツイチと聞いて納得しました。私、こう見えて意外に肉食系で、好きになった人にすぐ告白してしまうのですが、彼のことは好きすぎて何もできませんでした」
とはいえ、シマコさんには守護霊様がいる! 神様のアドバイスに従って、彼の仕事が終わる頃、偶然を装い待ち伏せしたら、飲みに誘われ、結果的に交際から結婚までトントン拍子に進んだそう。もちろん、フランス語の勉強もパリ行きも立ち消えになったのは言うまでもありません。
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週末に味噌や魚のニオイがして、浮気を疑う……