コラム 結婚式の準備ですれ違う日々…衣装合わせの後に彼はそそくさと消えた【浮気事件簿・前編】

横浜の探偵・山村佳子が調査した男と女の浮気事情。そこからわかる恋愛の表と裏を読み解いていく連載です。

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女友達でもいいから、一緒にいたい

今回の依頼者は、IT関連会社に勤務する千恵美さん(仮名・30歳)です。同棲2年、5年交際した彼と、コロナ禍が落ち着いたことで結婚式の準備中だと言います。

ボブヘアでガーリーな雰囲気の千恵美さんは、ふっくらとしていて、誠実で優しそうな女性です。

「私は幼い頃からこの体型でいじめられることが多くて…。また今回もいじめられようとしているんです」と涙目になりながら、カウンセリングルームにいらっしゃいました。ひとしきり泣いた後、「ごめんなさい。気持ちが高ぶって取り乱してしまって。申し訳ないです」とおっしゃって、私たちに調査を依頼するまでの経緯を説明してくれました。

「私と彼は8年前、お互いが22歳のときに就職活動で出会いました。彼は名門大学出身ですし、まぶしい人でした。私は美大で、UI(ユーザーインターフェース)のデザインを専攻している、ちょっと“陰キャ”な大学生。そんな私のことを“おもしろいね”と言ってくれて、連絡先を交換したのがきっかけです」

彼は千恵美さんの何かにピンと来たのでしょう。友達になってほしいと言われたそうです。

「彼はモデルみたいなシュッとした女性とばかり付き合っていて、私のことは恋愛として対象外だったんだと思います。だから気軽にランチや美術展に誘ってきて“千恵美さんといると気楽だな~”なんて言っていました。私は彼のことが大好きだったので、“女として好かれていることがバレては、この関係が崩れてしまう”と恋心を必死に隠していました」

彼の女友達という地位にいれば、少なくとも嫌われることはないはず。あからさまなアピールができないので、気持ちを押し殺しつつ、“よい人”になろうと努力していたそうです。

「私にとってのよい人とは、相手の長所を認め、嫉妬せず、教養豊かであること。彼が目の前にいてくれるだけで嬉しい、と思うようにしました。その思いが伝わったのか、友達になって3年目に彼がクルマを買ったというので、ドライブに連れて行ってもらったとき、“今日から恋人になってください”と告白されました」

恋人としての5年間は、波乱万丈だった

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