「いつか、私を選んでくれるのではないか」
私が「いったい、彼の何を調べればいいのでしょうか」と優里さんの話が一区切りついたところで言うと、「最近、彼が結婚するという噂が立ったのです」と落ち込んだ様子で話し始めました。
「一応、私と彼は仲がいい同期という関係なのですが、そんなプライベートなことは踏み込んで聞けません。1回男女の関係になってしまうと、恋愛の話が照れくさくて聞けないんですよね。だから、彼が結婚するかどうか、彼女がいるかどうかを探偵さんに調べてほしいんです」
探偵の調査には費用がかかります。共通の知人に聞いたり、ご自身でそれとなく聞くことは、優里さんには朝飯前のようにも思いました。
「いやいやいやいや!! 絶対にムリです。あと、不確かな情報はいらないというか…私、ぶっちゃけ、彼が最終的に私を選んでくれるんじゃないかと思っているんです。ホントは好きだけど、お互いに言い出せなかった…みたいなことってあるじゃないですか」
しかもこの8年間、この男性に特定の恋人がいた気配もないそうです。
「モテてはいますが、真面目なので女性と関係を深められない可能性が高い。これは私のケースですが、深い関係になった後に、相手に対してツンツンしてしまうんです。そしてそのまま終わってしまったような気がします。私はそれ以来、全く恋愛しておらず、恋活をしようと思うたびに、“同期が付き合おうと言ってくれるかもしれないし”と思って、本腰を入れないまま、今に至ってしまったんです。だから、同期に別の恋人がいるなら、あきらめて、いないなら告白しようと思うんです」
加えて「恋愛でも失敗はしたくありません。だから、周辺情報の裏取りをしてから、進めたい」とおっしゃっていました。

※本連載はプライバシーを配慮し、一部内容を変えています。
彼は家が好きな様子で、すぐに自宅に帰ってしまう…。【後編】に続きます。