探偵歴10年以上、浮気調査に定評のあるリッツ横浜探偵社・山村佳子が目撃した、男と女の浮気事情を紹介するこの連載。
今期の依頼者は、都内の医療機関で働く宮本裕子さん(34歳・仮名)。彼女の旦那様は親子二代続く開業医として、神奈川県内でクリニックを営んでいます。30歳で結婚するまで男性と交際したことがなかった裕子さんの特技は、資産運用と堅実な生活。独身時代に5000万円もの資産を築いたとか。
しかし、その堅実な人生と、素直な人柄にほれ込んだ旦那様は情熱的なプロポーズし、2人は結婚します。4年間幸福な生活をしていましたが、半年前から女性の影がちらつくように。きっかけは外泊。ここ1か月くらいは、回数も頻繁になり、裕子さんは浮気を確信します。
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調査は旦那様のクリニックからスタート。診療時間が終わり、旦那様が出てくるのを待ちます。残務処理があったのでしょうか、2時間ほどしてから出てきます。確かにイケメンですが、服のセンスが独特。
ヒップポケット部分が皮になっていて、西陣織と思しき和風のツル柄がパッチワークになっているデニムに、紫のボーダーのラガーシャツに、黒革素材のピーコートというかなり印象的なファッションです。靴は80年代に流行したテニスシューズ、バッグは緑色のセカンドバッグです。
黒いドイツ車に乗り込み、颯爽と出発。運転がルンルンしていることがわかります。クルマは東京方面に向かい、羽田インターで降ります。そこから複雑な地元道をくねくねと運転し、ある一般家庭の駐車場にIN。かなり立派な家で、後で確認したら「弁護士 ●●●●(男性の名前)」と表札にありました。インターフォンを押し、中に入っていきます。
周囲は住宅街で道も狭く、探偵カーでの張り込みは厳しい……