コラム 【浮気事件簿】束縛夫の妻、場末の立呑みビールをひっかけて幕が上がる復讐の浮気劇~その2~

探偵歴10年以上、浮気調査に定評のあるリッツ横浜探偵社・山村佳子が目撃した、男と女の浮気事情を紹介するこの連載。

今回の依頼者は、東京都品川区のおしゃれな一戸建てに住む、エリート商社マン中村翔太さん(39歳・仮名)。結婚10年間、アロマテラピー関連の仕事をしている妻とうまくいっていたのに、最近になって浮気疑惑が。離婚するつもりはないが、証拠だけを押さえてほしいという依頼でした。

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平日の夜に深夜帰りが多い、という依頼者・翔太さんの話を元に調査を開始。遅くなるとはいえ毎日自宅には帰ってくるということなので、品川区内の高級住宅地にある翔太さんの家の前に、工事関連の車両を装った軽のワゴンで見張ります。これは、先輩の探偵が加工したカモフラージュ用のクルマで、ボディーのところどころにへこみや傷をわざとつけ、車内に脚立を配置するなど、“まんま、プロ”の細工を施しているので、人目が厳しい住宅街の張り込みにピッタリなのです。

朝、10時に家から出てきた奥様は、茶色の麻のシャツにガウチョパンツ、ハイブランドのカゴバッグを合わせていておしゃれ。ロングヘアをバレッタで留めていて、モデルのようなスタイルだからカッコいい。定番スニーカーを履いており、背筋を伸ばしてすいすい歩く姿が凛としていて美しいです。

徒歩10分ほどで最寄り駅に到着。電車に乗るかと思いきや、バスで渋谷まで移動します。途中、後ろを何度か振り返っていたので、探偵の存在を意識していることがわかります。しかし、私達は男女ペアの探偵が、入れ替わって尾行しているので、バレない自信があります。

渋谷と代官山の中間あたりにある、おしゃれなオフィスビルに入った奥様は2時間程度で出てきました。身のこなし方から、おそらく仕事と推測しました。その後は近くのカフェで、アラフォーの業界人風の女性とランチをしています。ド派手なオーラで遠くからでも目立っていました。

その後も、同じカフェにい続け、5時までの間の3時間、5組の男女と商談や打ち合わせを繰り返していました。さすがに疲れたのか、最後の仕事が終わった後、びっくりするほど汚い居酒屋に飛び込み、生ビールを一気飲み。ハムエッグをつまみに、さらにレモンサワーを頼んでいました。

ほろ酔いの奥様は、恵比寿駅まで徒歩で向かいます。雑貨屋さんやブランド古着店を巡り、ウィンドゥショッピングをして駅ビルへ。ここでは、男性用の白いシンプルなTシャツをお買い上げ。店員さんに“自宅用で”と言い、ビニールに入れただけでカゴバッグに突っ込みます。きっと旦那様用なのでしょう。このときも、奥様は後ろを振り返っており、探偵の存在を警戒している様子でした。

奥様が入って行った瀟洒なマンションに住むのは、元パイロットの……

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