40代の時、シコリに気づいて人間ドックへ……その検査結果はなんとオールA……!?~その1~はコチラ
確かにシコリはあるんです。でも、検査結果は「A」。信じていいのか、放置していいのか……ラクな方に流れてしまう人のサガ。
天の采配か、看護資格を持つ友人と会う
そんなとき、本当にたまたま、私は看護師資格を持つ友人とランチをする約束をしていました。ちょうどいいので、心の中のモヤモヤを彼女にぶつけてみました。
すると彼女は、
「絶対に病院に行ってちょうだい!! 今すぐ行ってちょうだい!! 行ったって、何もない可能性のほうが90%だと思う。それでも行ってちょうだい!!」
そうかそうか。そこまで言われちゃ仕方ないわね……。
ようやく私は重い腰を上げ、ネットで乳腺外来がある病院を探し、予約を入れました。
今でもたびたび思うことがあります。あの健診で、たとえば「乳腺炎の疑いあり。要観察」などと書かれていたら、私は病院に行かなかったでしょう。そうしたら、今頃はどうなっていたのやら。
結果的には、不安を募らせてくれたおかげで病院に向かったのですから、あの健康診断にも意味があったのかもしれません。かなり無理やりなポジティブシンキングですが。
いざ、乳腺外科へ!
人生で初めて訪れた乳腺外科。
外来で担当してくれた医師はとても優しく、丁寧に応対してくれました。私のような患者にも慣れているようで、「ご心配はわかりますが、ほとんどの人は何もないので。あまり心配はなさらないように」と笑顔を浮かべ、触診、マンモ、超音波と進んでいきました。
……わずか1か月の間にマンモの痛みに2回も耐えなければならないとは!! 泣きました。心の中で。号泣でした。
しかし、本当の苦行はこの後でした。
「う~ん……」と、PCの画面でマンモと超音波の画像を見つめる乳腺医師に、ちょっと雲行きが怪しくなるのを感じました。
麻酔をする、組織をとる、マジで泣く
「確かにマンモだけだと、これは見落しやすい場所かもしれませんね」
超音波の画像を私も見せてもらいましたが、確かに素人目でもわかるような影がありました。小さいけれど。その影が何なのかは、組織をとらないと判断できないのだとか。
組織をとる……、といえば、いわゆる「生検」というやつですね? もしかして、すごく痛いことで有名なあれですね?
痛い思いで超インフレ状態。いったい、この1日でどれだけ痛い思いをするのかと。またも心の中で泣きました。でも、泣いたって仕方ない。診察台に横になり、出しました。おっぱいと呼ぶのも申し訳ないほどの私のおっぱいを。
まずは麻酔です。
いやいやいやいや、おっぱいに麻酔ですかっ!? それは注射を打つような場所ですか?
ジョン・レノンになって『イマジン』のメロディーで訴えたかったです。「想像してごらん、おっぱいに注射を打つ世界を」と。
この段階で、早くも私の日常生活における「当たり前」が崩れていくのを感じました。
ところがそれはまだ前座でした。そのあと、もっと太い針を刺し、おっぱいの中のシコリの部分の組織をバッチンと!! バッチンと!!とりました。病室に響くほどの音でした。
心の中だけではなく、実際に泣きました。
このときの医師は、大変に優しく丁寧で、デリケートな気遣いをしてくれる人でした。
検査の説明では、「これは組織の顔を見て、悪い顔をしていないかどうか見るもので、必ずしも乳ガンに直結しているわけではありません」と何度も念を押し、「乳ガン」という単語が出るたびに、そこだけ声をひそめてヒソヒソッと話しました。
それを聞きながら、「ああっ、きっと乳ガンなんだな」とぼんやりと思いました。
この日のお会計は、合計で1万円ほどでしたが、それが安いのか高いのかさえ、そのときの私にはわかりませんでした。
検査の結果は1週間後に出ました。