コラム 乳がん母さんの明るい共病7|悪気の無い人たちの発言に、軽く傷つく患者の心~その2~

意外ときつい、ポジティブな励まし

乳ガン患者も同じだと思います。私は、自分がなるまで、世の中にこんなに乳ガンの患者さんがいるなんて知りませんでした。

私が打ち明けた相手は、ほぼ例外なく身近な乳ガン患者さんの体験談を教えてくれ、「でも今は元気に暮らしているから!きっと大丈夫よ」と締めくくりました。

まれにその後、「体を温めるといいらしいよ」とか、「食事でガンが治るって、新聞の書籍広告で見たことがある」とか、「なんちゃらとかいうビタミン剤でガンがよくなった人がいるらしいよ」とか言われることはありますが、これは根の深い問題なので、別の回で書きます。

案外、きつかったのは、ポジティブな励ましでした。

この先、抗がん剤治療が始まれば、髪の毛が抜けるだろうとはわかっていて、主治医は「まっ、髪の毛はまた生えてきますからね」と簡単に言ってくれます。

いや、先生。そりゃそうだろうけど、やっぱりイヤなものはイヤですよ~。……と、SNSでつぶやいてしまったんですね。私。

そしたら、たくさんの友人が励ましてくれました。ありがたい事です。

でも、「この際、ウィッグでオシャレを前向きに楽しんじゃいましょう!」とか、「普段はできない金髪のウィッグとか似合うと思うよ」とか、ねえ……。なんだろうなあ。グサグサと傷ついちゃったんですよねぇぇぇぇぇ。

自分で愚痴って、自分で傷ついてりゃ世話ないわ~~、とは思います。

もちろん、友人たちは私を明るく励まそうとしてくれているのです。本当にありがたいと思うし、傷つくほうが過剰反応なのだと、当時もわかっていました。

だけど、弱っているときには、善意にだって傷つけられる事があります。

特に「励まし」は危ない。注意が必要だと思います。

上から目線の落とし穴

「励まし」っていうのは、基本的に「他人事」だから出るものです。言っている本人はまったく無自覚なままに、上からの物言いになっている事もあります。

「そんなのおかしいでしょ。こっちは善意で励ましているのに、善意で受け止められないほうが悪い」と言われればその通りで、そういう事も含めて「病気」なんですね。

心身のどちらか、または両方が傷ついている相手に対して、何か言葉をかけなきゃ。かけたいと思い、ついつい「励まし」や「アドバイス」をしてしまう。わかります。善意からですよね。

でも、やめといたほうが無難ですよ~、と思います。

何気ない「励まし」が、相手の傷口に塩をすりこむ事になる可能性って、けっこう高いです。

じゃあ、どうすればいいの?と言われると。

「大変だったわね」とか、「何もできないかもしれないけれど、いつも気にかけているわね」という共感。それだけでいいんだと思います。

上からでも、下からでもなく、ただ寄り添う姿勢。それがいちばんの慰めになるんじゃないかなあ、と私は思います。

「がんばれ!」「気合いだ!」と励まされても、凹むことだってあるんです。

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