乳がん母さん、早速手術を受けました。夜中に目覚めて痛いしつらいし、なんとも長い夜を経験します……。~その1~はコチラ
明けない夜はない、とはいえ襲い掛かる様々な試練
手術のあと、まんじりともしないまま夜を過ごし、「これって、はたから見たら重病人だよなあ……」なんて思っていた私ですが。
いや、ちゃんとガン患者だしっ!!
しかも、手術でガンをとったばかりだしっ!!
この状態の私が重病人じゃなかったら、いったい重病ってなんだよ? とセルフでつっこんでみたりしましたが、そんな事ではなかなか時間は過ぎてくれませんでした。
というか、いっこうに自分が重病人であるという自覚も認識も生まれないまま、状況だけが大変なことになっているという違和感がありました。まるでSF映画のような。異世界にトラベリングしちゃった気分でした。
本当に本当に本当に長い一夜を過ごし、心の中でカウントダウン。
「夜明けまで、あと○時間」。「朝食の配膳まで、あと×時間」。それまでの我慢、我慢……。
しかしっ、ここでまた新たな敵キャラが登場!! その名もハラスキスギー。
お腹がすいたんですけどっ!!
お腹がすきすぎて、気持ち悪いんですけどっ!!
思い返せば、手術前日の夕方6時を最後に何も食べていないわけで。手術翌日の朝8時の朝食までって、計38時間も絶食じゃないですか。38時間もあったら、アナタ。『24』のジャック・バウワーはテロリストを全滅した上に世界を救えちゃいますよ?(←いちいちネタが古くてごめんなさい)
明け方、そろそろ空の色が白み始めたあたりで、お腹がすきすぎて気分が悪くなってしまった私は、ナースコールを押しました。
それにしても、ガンという重病を前に、手術して直径6センチもの患部を除去して、気分が悪くなる理由が「空腹」ってどうなんだろう?と。
いや、私、健康なんだな~~、とも思いましたよ。ガンだけど。
しかし吐き気はおさまらず。何度も吐いてはナースコールを繰り返し、結局、この夜は5回くらいコールしてしまいました。
あとから看護師さんたちに聞いた話によると、私が何度も吐いてしまった理由は「麻酔のせいでしょう」と。麻酔が体内に残って気分が悪くなることは珍しくないらしいです。
すみません。誰に対して謝っているのか自分でもわからないけど、とりあえずごめんなさい。私の吐き気の理由は、麻酔のせいという事でお願いします。
お腹がすきすぎて吐いたとかね。それは私の中だけにしまっておこうと思います。……と言いながら、こうして書いちゃっているわけですが。(←バカ)
それにしても……。
私の病気は乳ガンなので、特に食事の制限はありません。長い絶食のトンネルを抜けたら、そこはいきなりの通常食でした……。
えっ?ロールパンに牛乳にハムにゆで卵???第一食目だけでも、おかゆとか重湯とかにしてもらえなかったものかしら?
せめてパンだけでも食べようと口にふくんだものの、全身を刺激するバター臭。一口目で吐いちゃいました……(またも遠藤憲一の涙目)。無理……。
なんとか頑張って、バターロールを一個だけは食べたけど、本当に「押しこんだ」って感じで。食べ物をこんな扱いするのってイヤなのに。
あんなに待ったご飯だったのに……。せっかくのご飯だったのに……。しくしく。 せめて、白いご飯だったら少しは食べられたのになあ、と思うと悲しくて悲しくて。
1週間の入院中で、朝にバターロールが出たのは、後にも先にもあの1回だけだったので、よっぽど巡り合わせが悪かったんだと思います。
6年たった今でも、悔しく思い出すので、食べ物の恨みって本当に根が深いです。