コラム 乳がん母さんの明るい共病20|できることなら避けて通りたい…がん治療の地味な痛みベスト3~その1~

毎回、毎回、同じような書き出しで恐縮ですが。

約7年前に人間ドックで「A判定」をもらったにもかかわらず、そこはかとない違和感を胸に感じた私は、その足で乳腺外科のある病院へ。すぐに3cm近い大きさの乳がんが見つかり、入院・手術・放射線治療・抗がん剤・ホルモン療法と走り抜け、ようやく一段落した2年後に、なんと肺に転移しているのが見つかったという。これまでのお話は~コチラ~。

身も心も休まる日がないよ、ドラえも~~ん!! ……ていうか、最初の人間ドックで私にA判定を出した病院には、二度と足を踏み入れてはいけないと、末代までの遺言にしようと心に誓っている執念深さです。

と、ここまでが自己紹介。いや、長いわ!!

「派手な痛み」と「地味な痛み」

わりと誰でも、できれば避けて生きていきたいと願う、人生の嫌われ者。それは「痛み」ではないでしょうか。

いや、ほんと思いますけど、痛みって人格を破壊しますよね。なんて言うんでしょうか。人間の尊厳とか。権利とか。理性とか。そういったものをブルドーザーでダーッとペシャンコにしちゃうみたいな。「痛み」って、そういうものだと思うんです。

痛いの、痛いの、とんでいけ~。

7年前から病気の治療が日常生活の一部になってしまった私は、痛い思いもそれなりに経験してきました。別に自分から望んだわけではないですけども。

そんな私に言わせてもらうと、痛みには「派手な痛み」と「地味な痛み」の2種類があるように思います。

手術とかね、たとえば骨折とか。そういう痛みは、派手な痛みです。フェスティバル的な。「いや~、あれは痛かった!」って、後から自慢できちゃったりする痛み。なんなら「オレのほうが痛かった!!」なんて、マウント大会が始まったりもします。

いや、そのレフェリー、誰がつとめるのかと?

「オレも若いときはけっこう悪かったんだぜ」的な、オジサンの自慢話にも似ています。言ったもん勝ち、というところも似ています。

だけど、派手な痛みの多くは瞬間的なものなので、人間の尊厳までは奪われないように思います。なんなら、「こんなに痛い思いをしているオレを敬え!」みたいな気持ちになったりもします。痛みは人をジャイアンにもするのかと。

対して、地味な痛みのほうが、心身共にガリガリと削ってくるような気がします。

我慢できないほどの強さではないんだけれど、いつ終わるのかわからない、間断のない痛み。これがいちばんツライのではないかと。

ガーッときてバーッとなってサーッて去っていく、ナニワのおばちゃんの話法みたいな瞬間的な強い痛みは、心臓には悪いけれど、それほど恐れることはありません。でも、雨だれがポツポツと石に穴をあけるような痛みは、ほんと人間を壊します。

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