コラム 乳がん母さんの明るい共病20|できることなら避けて通りたい…がん治療の地味な痛みベスト3~その2~

知らない痛みだから怖い

「痛い思いをするのが怖い」って、たくさんの人が言います。「想像するだけで怖いから、考えたくもない」って。

でもね、私、思うんですけど。なんだって、知らないから怖いんじゃないですか?

未知の事って怖いですよね。痛みも同じだと思うんです。

これまで、「痛い思い」をしないで生きてこれちゃっているから、怖い。どれだけ痛いのか、とか。自分に耐えられるのか、とか。考えていると、どんどん怖くなっていくんじゃないでしょうか。

こういう時、想像力って邪魔です。

私の人生で、間違いなくいちばん痛かったのは、初めての出産でした。

子宮口は全開大、赤ちゃんの頭も見えてます~、ってところまでいって、最後の最後で赤ちゃんがつかえちゃって緊急帝王切開。まさかの展開。

初めてなのに、自然分娩の痛みと帝王切開の痛みをダブルで味わえちゃって、一粒で二度おいしいというか、一気に人生の経験値を上げちゃったというか、このときはマジで「私、もう怖いものは何もない!」と思いました。

あの体験で、私は、自分の痛みへの耐性のMAX値を知ることができました。

そうして、一回、自分の中に痛みを計る物差しを持つと、「痛い思い」に対する恐怖感って、面白いくらいに薄れました。

白血球の注射も、造影剤の点滴も、なんなら術後の痛みも、そりゃ「痛い」とは思うけれど、「怖い」とは思いません。

自分のMAX値もだいたいわかっているので、「痛いけど、まだイケるな」とか思えます。ほんと、数値化できるものは怖くないんです。

だから、私にとって病気は、もちろんイヤなものではあるんですけど、「怖いもの」ではないです。だって、正体はわかっているし。痛いのもけっこう平気だし。

「何事も経験」というけれど、これに関しては、そんなに外れてもいないかなあ、とは思います。

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