コラム 乳がん母さんの明るい共病21|ポジティブでいるにも限度がある…2度目のがん転移~その1~

え!?また!?転移!!!???

それから数か月。

またも診察室で主治医と向かい合う私は、夏休みで帰省していた上の娘を伴っていました。

「しばらく様子を見ていたんだけどねえ。やっぱり縦隔のリンパははれたままだね」と主治医。

ああっ、そうだよ。縦隔だよ。さすがに、この時は頭の中で「縦隔」と変換できました。

「あの~……。縦隔がはれるって、具体的にどういう意味なんですか?」と私。主治医は笑って、「そりゃあ、がんだよ」。

実もふたもない答えランキング国内1位。

「あっ……。がんですか。そりゃそうですよね。私、がん患者なんだから」

いや、ちょっと待った。

えっ、転移?転移ってことなの、これ?また???

が~~~ん……。(←お約束)

2回目の転移かあ。2013年の発病、2015年の肺への転移、そして2017年に縦隔リンパへ転移。ていうことは2年ごとだな……。オリンピックの倍のスピード。いや、冬季オリンピックと夏季オリンピックで考えれば、同じくらい?

人は、人生の重大事でも、けっこう下らないことを考えがちです。(えっ、私だけ?)

この日、縦隔リンパへ転移した乳がんは、放射線治療をすることに決定。その足で通い慣れた放射線治療室へ行き、予約をとりました。

あ~、これでまた一か月、毎日毎日の病院通いだわ~~~。ため息がでちゃいました。

病院からの帰り道、上の娘に「実は縦隔リンパのはれって意味が分からなくて、がんの転移だとは思わなかったわ~」と愚痴ったら、娘は「えっ!?」と驚いた顔をしました。

「私は、前に話を聞いた時からそう思っていたよ」と言う娘は、この時点で医学部に通う3年生です。

「そうか。わかっていなかったのか。私がちゃんと説明すればよかったね。ごめんね」と謝る娘に、

「いやいや、どう考えても、意味がわからずにスルーしていた私がバカでしょう」

まあ、本当にバカだったと思います。今に始まったことじゃないけど。

あ~~~、でもさ。でもさあっ。

「でもさあっ!!ポジティブにも限度ってものがあるよねっ!!」

西の空に傾きかけた夕日に向かって、つい声が大きくなってしまう私。はい。八つ当たりです。当たられた夕日には、ごめんなさいと謝っておきます。あなたは何も悪くないのに。

娘は一瞬、言葉を失ってから、

「……お疲れ様です」

と一言、小さな声でつぶやきました。

あの日の夕日、ごめんなさい。

その2~に続きます。

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