乳がん母さんの明るい共病28|みんな落ち着こう!外出自粛の今こそ感じる「当たり前」のありがたさ~その2~

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日常はどこまでも続くわけじゃない

2013年3月、私は乳がんの手術のために1週間ほど入院していました。

退院して病院の建物から一歩足を踏み出した瞬間、なんということでしょう(←サザエさんの声で脳内再生をお願いします)。世界がピンク色に染まっていたのでした。これにはビックリしました。入院時にはまだ冬の名残があったというのに、わずか1週間で季節は春に変わり、桜の花が満開になっていたのです。

自宅まで戻る道のりを、桜並木に沿って遠回りし、クルマの中からお花見をして、つくづく「桜ってキレイだなあ……」と思ったのを覚えています。

「桜なんて毎年咲くんだから、来年、見ればいいじゃない」と言う人がいます。

そういうセリフを聞くたびに、「ああ、この人は、“日常はどこまでも変わりなく続く”教の信者なんだな」と思います。

日常なんて、真冬の雪山のようなものです。見渡す限りの白い雪、雪、雪。どこまでいっても何も変わらない景色のように見えても、足の下は断崖絶壁の上に張り出した雪庇かもしれません。落ちるのは一瞬です。

その瞬間、「ああああ~~っ、どこまでも続く景色なんてまやかしだったか~~!!」と悟っても、もう遅いってわけです。

日常生活って、そんなようなものだと思うんですね。

アハ体験みたいに、ゆるやかだからその変化に気づかず、はっと気づいたら周囲がすっかり変わっていた、という日常もあるでしょう。ある日突然、プッツリと断絶されちゃう日常もあるでしょう。

どちらにしても、「変わらない生活なんてありえない」ということは同じです。

某ワニのマンガとがん患者は似ている

最近、ネットで大きな話題になったものに、100日後に死ぬ運命のワニの4コママンガがありました。1日1回、そのワニのありふれた日常生活を描いたマンガが公開され、最後に「ワニが死ぬまであと〇〇日」という表示がついていました。懐かしの『宇宙戦艦ヤマト』でおなじみのカウントダウン方式ですね。

マンガ自体は、日常ダラダラ系の内容だったのですが、いかにも平凡な生活を送っているワニの人生(ワニ生?)があと数日で絶たれるという前提が、物語に緊張感を与えていました。平凡ダラダラな内容と、「死」の緊張感が背中合わせになった構成は、多くの人に新鮮だと思われたようでした。(その後、このワニのマンガはネットで炎上しましたが、それも世間の注目を集めたゆえだと思います)

「このワニのマンガの世界観は、がん患者に近いな」と私は思いました。

毎日毎日、子どものお弁当を作ったり、満員電車に乗ったり、Netflixで海外ドラマを観たりして、当たり前に日常生活を送る一方で、「来年の桜は見られないかもしれない」とも思う。

フツーの顔をした日常生活の足元は、そんなに盤石ではなく、虫の食った木の土台くらいにはグラグラしています。なにかの衝撃で、一気に崩れることだってあるでしょう。

でも、それって、病気に限ったことではないですよね? 

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