コラム 乳がん母さんの明るい共病30|岡江久美子さんの死、絶対避けたい医療崩壊~その2~

新型コロナウイルスの感染拡大は、まだまだ収まる気配がありません。東京都では日々、3桁の陽性患者が見つかっています。

さて。

本当に残念なことに、今回、岡江久美子さんという素晴らしい女優さんがコロナ肺炎で命を落とされたわけですが。~その1~はコチラ

もしも直前に放射線治療をしていなかったら、コロナにかかっても岡江さんは助かったのかな?って、思ったりしちゃいませんか?

「たら」や「れば」に意味はないけど、私はしばらく考えちゃいました。

予測不可能だった、新型コロナウイルスの流行

医学は魔法じゃないんです。

私も、自分が患者の立場になって初めて分かったんですけど、どんな治療にもリスクってあるんですよね、やっぱり。そのリスクだとか、見込まれる効果だとか、いろんな要素を天秤にかけて、常にその時点で最善と思える治療方法を選ぶしかないんですよ。

岡江さんの放射線治療は、その時点での最善策だったはずなんです。

放射線治療って、体への負担がわりと少ないのにがん細胞を叩いてくれる、ありがたい治療方法だと私は思っているんですよ。でも、正常な細胞がまったく影響をうけないわけではないので、いわゆる「免疫力」が下がるとか、そういうことはあるのかもしれないなあ、とも思います。

私の場合、治療期間中は「疲れやすい」ってのはありました。

ひっくり返せば、「多少、疲れる」くらいの副作用でがん細胞を叩いてくれるなら、ほんとありがたい治療だと思うんです。……通常ならば。

ここで、まさかのコロナの流行ですよ。

何回、「まさか」を連呼するのかと自分でもツッコみたくなるところですが、初期の乳がんで放射線治療が終わり、1か月ちょっとでこんな疫病が世界中で流行るなんて、誰が予想できたでしょうか。

乳がんは、すべてのがんの中でも比較的おとなしい方で、10年、20年と眠ったままでいてくれるものもあると聞きます(だからといって、なくなったわけではないのが困りものなんですが)。

もしも、医師が魔法使いであったなら。または未来を見通せる預言者で、コロナの世界的流行を予知していたら。岡江さんは乳がんの治療を急がずに、半年くらい待ったかもしれません。そのくらいなら、がんもさほど成長しなかった可能性もあるでしょう。

初期の乳がんの10年生存率は、なんと9割です。

でも残念ながら、そんな魔法は誰にも使えません(涙)。

とにかくタイミングが悪すぎた。その一言に尽きると思うんです。

大切な人の命を守るための治療がアダになってしまったかもしれない、ご家族のお気持ちを想像すると、胸をかきむしられるような思いがします。

岡江さんご本人も、ご家族も、医師だって、その時点での最善を尽くしたはずなんです。でも、現実は予想のはるか大気圏外からとんでもないものを放り込んできたわけです。いや、マジで、世界ってどれだけ残酷なのかと。

「予期しない事は、常に起こるかもしれない」というのは、私たちがさんざん学んできたはずなんです。すぐに忘れちゃうけど。

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